ラコ製品の代名詞ともいえるパイロットウォッチは、特化した使用目的のために製作されていたため、デザインも独特の様相を呈しています。

文字盤の上下をすばやく認識できるように印字された12時位置の三角形のマーク。パイロットが分厚い手袋をはずさなくても操作できるように工夫された大きなオニオン型のリュウズ。夜間飛行時にも耐えうる針やインデックスのルミノス加工。

いくつかのナビゲーションウォッチモデルには、航法計測機器に分類される「FL23883」という当時の機密記号がケースに刻印されています。また、服の上からでも時計を着脱できるオーバージャケットストラップに、頑丈なリベットつきのレザーベルト。こういった外装品にも独特なデザインの仕様がみられます。

当時のデザインをそのままに残すことは、そのまま20世紀の記憶を次世代へ引き継いでいくことへとつながります。悲惨な戦禍を引き起こした当時の世界情勢、当時のエンジニアたちの技術への傾注。そして、戦闘機パイロットたちが感じたであろう空での孤独感や葛藤。

時計は物を言いません。しかし、歴史から謙虚に学ぶ姿勢の大切さを私たちに雄弁に語りかけています。