第一次世界大戦以降、各国の軍事戦略において、空中からの爆撃や偵察がより重要視されるようになりました。第二次世界大戦では、ナビゲーションウォッチの品質・精度の高さが爆撃機や偵察機のパイロットの任務を支えていました。
目印になるような人工物が存在しない洋上や大草原。自分は今、地図上のどの位置にいて、どの方向へ向かっているのか。偏西風やさまざまな気象条件による気流の乱れを受けやすい空の航行には、位置の測定が不可欠でした。
GPS衛星や電子時計など、位置測位のための技術がまだ未発達だった時代、人々は太陽や月、星々を仰ぎ見て位置を推測していました。天測航法の基本的な考え方を知ると、時計の正確さの重要性がよりよく理解できるようになります。
天測航法では、何時に何がどの角度で見えたか、この情報の積み重ねで位置を推測していきます。そして、時間を測って自分が進んでいる速度がわかれば、目的地までの距離と時間も見積もることができます。
進んだ距離と方角を正確に知るためには、信頼できる時計が必要でした。時刻を知らせる機器の正確さが、方角と距離の推測を導き出し、ひいては目的地までの燃料計算など、パイロットの命にかかわる数値となったのです。
第二次世界大戦中、ドイツ空軍へ高い精度と信頼性を求められたナビゲーションウォッチの納入を認められたのは、IWCやランゲ・ゾーネなどのたったの5社。ラコもその5社のうちに含まれています。