こんにちは。LAC語学教室の中国語講師邱です。
日本に来てからよく日本の友人から「中国にも刺身はあるの?」と聞かれます。私の故郷は内陸にあり、海がないので生の海鮮を食べる習慣はなく、必ず加熱調理してから食べます。ですが、中国にも刺身に少し似た料理があって、それを「生腌(shēng yān シェンイェン)」と呼びます。
「生腌」とは、生きた海鮮をそのまま加熱せず、調味料に漬け込んで味を染み込ませて食べる料理です。韓国のカンジャンケジャンに少し似ていますが、中国の地域によって味付けや雰囲気が大きく異なります。代表的なのが 東北生腌 と 潮汕生腌 です。
東北生腌(ドンベイ・シェンイェン)
特徴:味付けが濃く、にんにく・唐辛子・長ネギ・香菜(パクチー)などをふんだんに使います。しょっぱくて辛い味が多く、ビールや白酒と一緒に楽しむのが一般的です。
食材:エビ、カニ、カキ、貝類など。時には川魚や川エビを使うこともあります。
雰囲気:豪快で庶民的、酒席で盛り上がるための一品です。
潮汕生腌(チャオシャン・シェンイェン)
特徴:素材の鮮度を最重要視し、シンプルで爽やかな味付け。魚醤、にんにく、小唐辛子、砂糖、ライムなどで漬けて、海鮮本来の甘みを引き出します。
食材:生きたエビ、カニ、アワビ、血ハマグリ(血蛤)など。必ず活きた海鮮をその場で捌いて漬け込みます。
雰囲気:潮州・汕頭地方特有の繊細な食文化で、家庭や小さな食堂でじっくり味わわれます。
まとめると、
東北生腌:濃い味・豪快・お酒に合う。
潮汕生腌:さっぱり・繊細・素材の味を楽しむ。
同じ「生腌」でも、地域によってこんなに違いがあり、中国の食文化の多様さを感じられます。
ただし、生の海鮮を使うので、鮮度と衛生管理はとても大切です。

