開催日時 3月4日(日)11時渋谷駅集合
今回の読書会の目的は本の主張に至ること自体ではなく、主張を理解するために論理構造を追うことがいかに重要であるかを確認することにあります。論説に比べ小説は読みにくいと言われます。しかし、論理構造を追えば話の核心に迫ることさほど難しくはなくなるでしょう。
参加されるにあたって、前もってやってきてもらいたいこと3つがあります。
1:物語の主題、筆者の主張を考えてくる。
2:物語をセクション分けしてくる(個数の指定はしません)。
3:各セクションの主題を考えてくる(特に主題がなさそうなものは無しで構いません)
1と2は最低でもしてきてもらいたいです。
場所は渋谷を予定しております。渋谷駅に11時集合を予定。近くのファミレスか喫茶店で会を開こうと思います。たくさんのご参加お待ちしております。連絡はtwitter:@afro_monophobiaまで。(加藤)
(加藤)
読書会の企画をさせていただいた加藤です。今回は6名のご参加がありました。構造を追うことで主題・主張に至ることを目的として、開かれた会でしたが、個人的にかなり勉強になった会でした。
自己紹介から始まり、文章を読むことの説明から、本文へ入っていくという流れ。参加者の方からの論説と小説の構造の違いの話は分かりやすいものでした。論説は登山のように、いろいろな道があるがそれらはすべて頂上(主張)に繋がるもので、それらをきちんと辿っていけば良い。一方、小説は螺旋階段のようなもので、似たような表現を追っていきながらじわじわと屋上(主張)に近づいていくものだ。これがその違いのようです。
小説の内容について、個人的には伸び縮みする「自分」と外部(身体・環境・他者)の不一致の話として読みました。会を進めていく中で、参加者の方から、言葉は視覚的・聴覚的・意味的作用があるという話が上がり、更に文中の表現(窓や鏡、色・音)を考慮に入れると、全体として「部分」と「関係性」がこの小説の根底にあるのではないかという提案がなされました。結論としては、「部分」と「関係性」を基調とした、「自分」と「外部」の話であったということに落ち着きました(「自分」も「外部」も部分であり、不一致が「関係性」である)。
参加者のみなさんの感想は、全員参加型の読書会というのは新鮮だった、見落としていたところに気が付けた、わからなかったところが議論を通してわかれてよかった、というものでした。
冗談を交えつつ和気藹々と議論ができて良かったです。
(夫馬)
渋谷のサイゼリヤに総勢6名が集まり読書会を実施しました。
初参加のメンバーが多く、意外な意見もきくことができ、有意義でした。
特に、それぞれの文学との向き合い方が知れて興味深かったです。
『乳と卵』の文芸誌掲載時との添削の比較やインタビューと文章を結びつける手腕を発揮したメンバーがいたり、文章の読み方に拘りのあるメンバーがその手法を開示したりしたのです。
当日の進行を担当した加藤のレジュメもよくできたものでした。
自分は途中で中座したのですが、残りの時間もすばらしいものとなっていたのではないでしょうか。
進行をしてくれた加藤、来てくれたみなさん、ありがとうございました!
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