雨上がり 雲の間から夕暮れ


自転車で下る坂道


ふと気付くと 顔がほころんでいた


春の訪れを知らせる 体をつたう風


背中を ゆったりした空気がつつむ


午後4時 夕暮れ時。



ヒトは愚かで哀れな生き物


未来を求めるがあまり



を恐れて 死を考えない


死ぬことは寝ることと同じくらい


単純


でも、ヒトは死という言葉を自分にはあてはめない


恐怖


それは、ヒトを蝕む。


喜びや悲しみと同じココロがつくりだす


感情 というもの


ただそれだけのモノ。



慌ただしく ヒトに恐怖を与えるサイレンとランプが


ゆったりとした世界に飛び込んでくる。


近づくほどにはっきりと


遠ざかるほどに歪んでいき


そして、消える。


そして何事もないように 張りつめた空気が緩む。



人はみな哀れで脆い。


サイレンの後ろで ステレオをかき鳴らす 若者


ランプを 眼で追いかける 主婦


自転車で通り過ぎる 学生


それぞれに救急車を見て 死を 想う


そして、すぐに忘れようとする。


その場所だけ 違う 空気が 違う


ヒトは死を恐れる


儚く 脆く 哀れ


だからこそ 我々は 人間であり


ここに生きられるのかもしれない


我々は 生かされているのだ。 自然に。 


そして、


死という存在に。


だからヒトは 


愛 


を求めるのかもしれない。


死ぬ瞬間に自分の存在価値を求めるために。


自分の存在証明のために。