僕は盆踊りのような庶民の集いには参加致しません | 蘭盆ー盆踊りで世界を明るくー

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兵庫県伊丹市・尼崎市・大阪市の福祉施設を中心に盆踊りでボランティア活動をしている「蘭盆(らぼん)」と言います。
セゾン、ニック、ピングの3人で活動中です。
福祉施設のレクリエーション、地域の盆踊り、自治体の介護予防などなど、盛り上げに行きます。

庶民の集い

 

1年前までは、外交官で35年間海外に在住していた方でした。

 

ある難病で大きな手術をしたけど、脳に障害が残り、介護が必要な状態になってしまわれました。

 

リハビリのため、デイサービスを利用をしており、利用中のデイサービスでレクリエーションの一環として、盆踊りをすることになりました。

 

夫婦とも、自尊心が非常に高い方なので、音楽はクラシックのみ。民謡、演歌、浪曲は毛嫌いしていました。

ご本人は、「僕は盆踊りのような庶民の集いには参加致しません」と言い、奥様は、「主人はそういった皆さんが集うようなものには、絶対に参加しません。盆踊りなんてものをおそらく存知ないかと思います」とレクリエーションで盆踊りがある日は休みたいと希望していたのですが、ご家庭の都合で休むことができず、結局、盆踊りの時間だけ別の部屋で過ごすことになり、予定通り休まずに利用されることになりました。

 

あまりに拒否をしていたので、もうデイサービス自体をやめると言い出すのではないかとヒヤヒヤしていましたが、デイからの報告は、意外なものでした。

 

故郷の盆踊り

盆踊りの準備中、提灯をつけたり飾りつけを行っている間、花笠音頭を流していると、涙を流されたので、嫌すぎて泣いているのかと思えば、急に踊り出したということでした。

しかもかなり上手に。

話を聞くと、長年海外に住んでおり、脳に障害が出る直近の記憶は、仕事で大変だったことしか残っていなかったけど、祖父母の家に帰省をした時に必ず花笠音頭に参加していたということでした。

あいにく、花笠音頭はスタッフが誰も踊れないので、BGMのみで、実際に盆踊りはしなかったそうです。

 

しかし、それまで、病気や障害との闘いと、仕事での苦悩しかなかった思考が、一気に提灯と花笠音頭で、楽しかった思い出がプラスになったと思うと、民謡やあの提灯は、その方にとって、かけがえのない心の故郷なんだと思います。

 

それまでは、普段、リハビリや脳トレは一生懸命するが、他の利用者さんとは、あまり話をしなかったのですが、その一件後は、他の利用者さんとも話をすることも増えてきており、デイに行くのが楽しくなってきたと話してくれています。

 

(ピング)