中小企業の人事制度 「やっぱり人ですね」::ラボ・ジャパン株式会社 専務取締役 佐藤なな子ブログ -4ページ目

研修の内製化

社内に研修講師を育成し、研修を内製化する。

そんな取り組みをしている企業が

クライアント様の中でも、何社かあります。


研修会社の私が言うのも何ですが、

最終的には、社内で研修を内製化するのが、

人財育成には最適だと考えています。


ですから、我々も、そこを目指して研修を実施しています。


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我々のような外部の研修会社に外注すると、

実は、様々な弊害があるのです。


まずは伝言ゲームのように、

育成意図がうまく伝わらない場合があります。


研修講師やトレーナーの力量にもよるのでしょうが、

経営者の考えや、社内戦略に則って、

人財育成を進めるのではなく、

研修講師の意向が色濃く出てしまう場合があるのです。


研修講師の価値観や考えで、

研修講師のやりたいことをやってしまう・・・


これは我々、研修業界の意識と力の底上げの問題です。



また研修を外注すると、やり方やスキル中心になり、

本来、社内で解決しなければならない真実の課題が、

置き去りにされる場合があります。


やり方を知っても、使えないという人が、

どれだけ多い事か!

スキルがあっても行動化できないという人が、

社内に溢れている企業の、どんなに多い事か!


研修というのは、コストです。

イニシャルコストにするか、ランニングコストにするかは、

大きな違いです。


研修は仕事の時間を遣います。費用もかかります。

垂れ流して、費やすものではないのです。


しっかりスキルも使えるようになり、現場で活き、

成果を出し、人財の成長が見られなければ無意味です。


研修費用は投資にしなければならないのです。

投資である限りは、回収が明確に見えなければなりません。


研修というのは、研修時間2割、

現場への落とし込みが8割必要なものです。

そこを考えずに、単にコマをやり過ごす研修が、

多くなっています。


しかし多くの企業が、研修をやり終えた事に満足し、

社内定着化や落とし込みには、時間と労力を使いません。


本来、社内の課題解決のためのツールの1つとして、

研修というのは使われるはずなのです。


しかしながら本末転倒。

研修を実施する事が目的となっている企業が、

数多いのが現実です。


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もちろん研修の内製化にも、デメリットはあります。


担当の社内講師の力量を、広げ続けたり、

社内講師を、どんどん育成していかなければ、

社内人財の力量や器が、小さくまとまってしまいます。


それでもOFF-JTとOJTの連動が、しっかりといきますし、

細やかに人財1人1人を見てフォローができます。


特に中小企業では、研修の内製化を進めていく事が、

企業の哲学の浸透、現場力の底上げにつながっていきます。


今年はブログでも、そんな研修の内製化について、

少しづつ取り上げていきたいと思っています。


現代女性のワーキングプア

当社には3人の女性が働いています。

いずれも現在は正社員。


そのうち1人は3人子どもがいる30代女性。

育児休暇も取得したし、育児時短も適用中。


彼女が育児休暇を取得中は、派遣社員を雇用していました。


中小零細の身としては、本当はキツイ選択…。


それでも「人」に関わる仕事をしている以上、

「人」の雇用に関しては真っ当でありたいと思う。

だからこそ。


とはいえ、やはり、給与は決して高いとは言えません。


それでも、女性がきちんと身を立てていけるような給与を、

しっかりと払えるようになろう、と死にもの狂いで経営しています。


しかし。


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世の中の女性に、静かに広がるワーキングプア。

正社員の門戸が厳しくなり、女性は調整弁となっています。


先日、テレビでやっていた特集では、

単身女性、正社員でも労働条件が非常に悪い・・・

収入を補う為、週末はダブルワーク。


そんな方が取材されていました。


しかし、これも特殊な事例ではないはずです。



特にシングルマザーは、それにプラスして、

育児費用や進学費用が、のしかかってきます。



私は現在、職業訓練校での担当講師もしていますが、

実際に生活するのがやっとの女性は、

なかなか資格を取得するチャンスさえありません。


訓練校での模擬面接やワークガイダンスでは、

「中小企業は小さな子どもがいるだけで、嫌がる」

という現実を伝えた上で、

「保育の手があるんだ、というアピールを!」

と指導します。


しかし行政管轄の保育園に入れればいいものの、

無認可保育園に入れるしかないという現状も・・・


そうなると、月に2~5万円の保育料が、

少ない給与から飛んでいってしまうのです。



食べるために、生きるために、

職業を選ばずに目先のキャリアを積んでいけばいくほど、

正規雇用の道は閉ざされていきます。


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女性としてのそんな苦しい現実も知っているだけに、

あえて「正しい経営」をしたいとも願っています。


昨年、同業他社が女性スタッフを震災理由に突然解雇し、

「君は契約社員だっただろう」と言い放ちました。

雇用保険も社会保険も掛けられてはいませんでした。


研修会社や人材育成会社で、それはありえない!

私は、そう思っています。


もちろん制度を整備するだけでは、

経営を圧迫するだけにしかなりません。


その為に当社は、生産性追求も社員に課しますし、

たとえ内勤者・非生産部門であろうと、

売上の下支えとなる事を義務づけます。


「正しい経営をしていたら、会社が潰れる」

「正直に、残業代や保険料を払うのは難しい」


と言う経営者もいらっしゃいます。


それが賢さなのだろうか・・・



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「人」をテーマにする企業だからこそ、

正直で真っ当でありたい。


「当たり前の事を、当たり前に」


2012年も、「人」が活きる場づくりを、

一生懸命・一所懸命にしてまいります!





感動も、数値化できる!

昨年の研修で、受講生に

「お客様に感動を与えたい、と安易に言うが、感動とはなんだ」

という話をしました。



感動はお客様がするもので、決して与えるものではないのです。


お客様が感じて動くから、感動。

では、お客様が「動く」というのは、一体どんな事なのだろうか。


私は、お客様の感動は数値でも表されると考えています。

すなわち、「リピート」であり、「紹介の発生」であるでしょう。


お客様が、その商品やサービスに感じることがあれば、

「リピート」や「紹介」という行動に移します。


口だけで「感動を与えられた」と言っているのは、

単なるマスターベーション。


実際の数字に反映されていないのであれば、

単なる思い込みでしかありません。


お客様を感じさせ、

動かすような商品、サービスを提供するには、

どうしたらいいのか。


それを目標にしない限り、ひとりよがりは続くでしょう。



「感動を与えるサービス」をと、

言葉で貼ってあるのならば、

まずはそれを外しましょう。


そしてもっともっと具体的に「感動」を数値化するのです。


そこから本当の感動への一歩が始まります。