今年の夏も日本の様々な場所で英語を聞く機会がありました。

以前と比べて日本人の人もいわゆる「日本語訛りの英語」を話さなくなったと思います。

 

「日本語訛りの英語」というのは子音で終わる語に母音が入ってしまう例が顕著だと言われています。「カタカナ英語」とも言われますが、日本語は「ん」以外は「子音+母音」で構成されているため、「It」を「イット」のように「t」の音をト「(t+o)」で発音してしまう日本人が多いと言われていました。

 

確かに原音を聞かずに文字を追ってしまうとそれぞれの語がどのように発音されるかを瞬時に脳内再生するのはむずかしいです。日本でも「フォニックス」を使って英語の『音』を教えることがありますが、フォニックスは文字のそれぞれがどういう音かを覚えてその文字の組み合わせから語(単語)の音を脳内で組み立てて音声化するものです。これは原音をかなりの量聞いて、文字を見た瞬間、つながりを目で追いながら、脳内で自分が知っているもの(例えばcatなど)を認知し、その音をまとまりとしてアウトプットできないと意味がありません。catをフォニックスで習った「kの音 aの音 tの音」と一つずつ音声化したら、おそらくほとんどの人はそれが「cat」と言っているとはわからないでしょう。ただしESLの先生や小学校の先生はこのような教え方をしているので、子供が「ku -ya-tu」のように言ったら「そうよ そうよ 上手にいえたね」と言うかもしれません。このような繰り返しによって人間は文字と音の関係を覚え、文字を見た瞬間に音声化できるようになると考えられています。

 

日本語と英語のバイリンガルがどちらの言語も母語話者のように話して書けるようになる場合、異なる方法で両言語の「文字と音の関係」を習得しなければなりません。今の日本の英語教育でもっとも問題だと私が思うのは、日本語の文字習得の方法を英語に応用してしまったことです。日本語のひらがなやカタカナは一つの文字に一つの読み方しかなく、さらに日本語はモーラという単位で音が構成されています。一方 英語はひとつの文字(アルファベット)に組み合わせによって複数の読み(音)があるためひとつひとつの文字に音を合わせて教えていくフォニックスや音声を聴かせなくても文字が読めるようになれば上手に音読ができる日本語を使った言語学習(国語)の方法では英語が上手にアウトプットできないのです。

 

最近 日本人の人でも英語を非常に流暢にきれいな発音でアウトプットする人が増えて来たと思います。私が聞いた英語は主に電車や飛行機の中のアナウンスやホテルのフロントの人の案内でした。この人たちは日々、同じ文章を何度も言っているのでしょう。そして最初は音声モデルを与えられたのではないでしょうか。それをシャドーイングして何度も音声化すれば、決まったフレーズであれば母語話者に近い発音になるのだと思います。この人たちが日常会話を英語でしても同じように発話できるかどうかはわかりませんが、聞いていて違和感を感じさせないアナウンスは心地よいです。

 

このブログは「英語力を音だけで判断する日本人」というタイトルですが、それは私のことです。私はどうしても言語のうまい・下手を「発音」で判断することがあり、これは職業病なのかなと思います。

 

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