私の知り合いで中高時代「学校の成績ではAしか取ったことがなかった」という人によく会います。
以前に関わっていた日本語補習校でも生徒の多くは公立校に通っていましたが、中学まではストレートA(すべての教科がA )だという人たちが多かったです。
アメリカは高校入試がないので、ほとんどの人は大学に入るまで「受験」を経験しません。アメリカの大学入試は一回限りの入試ではなく、標準テストの成績や高校時代の成績やその他の活動などを総合的に判断して合否が決まるシステムです。
まずSATやACTという標準テストですが、これは近年、提出を任意にしたり、出さなくていいという方針に変えている大学が多くなりました。
次に高校時代の成績ですが、多くの高校がAを出血大サービスするので、これもまた大学レベルのクラス(AP)やオーナーズというクラスを取ると「特A」のようにしてポイントを高くしないと全然差がつかない状態になってしまいました。
よく言われている「課外活動」ですが、これもポイント制にしている学校や内容によって推薦状に書き込んでくれる制度を学校ごとに設置していたりします。
私はアメリカのいわゆる一流大学に長い間、勤務していますが、大学の入試システムや合否基準がまったくわかっていません。ただよく聞くのは「小中高ではAしか取ったことがなかった」という学生が私の勤務校に入れなかったり、入ってからも苦労しているという話です。
我が子は私立校に通っていて、成績はそれほど芳しくありませんが、高校時代にしっかり学習して自分の立ち位置を確認できる方が大学に入ってから挫折しないですむんじゃないかと思うこともあります。でもやっぱり親だから子供が「ストレートA」が取れる学校に行かせてあげたかったと思うことがあります。