私はかれこれ30年ほど、言語を教える仕事をしています。

20代の頃は日本で英語を教えていました。

フランチャイズの児童英語教室を2年ほどやりながら、近所の塾で受験英語を教えていたのですが、どちらも全然経験がないのに、ちょっと語学留学していたというだけで雇ってもらえて、数回の研修を経てすぐに教え始めていました。

 

今 考えると「教授法」なんて何にも知らない20代の若造だった私から英語を習っていた子供たちは気の毒だと思いますが、当時はみんな楽しそうにしていたし、30年経って今ならもっと上手に教えられるかというと甚だ疑問です。

 

アメリカでも日本でも教育学部で「言語教育法」を教えている教授は実際に言語を教えていない人がほとんどです。私はかろうじて(?)大学で言語も教えていますが、現役だからと言って教育法がよくわかっていて、上手に教えられるかと言うとこれまた疑問です。

 

アメリカの大学の場合、教えられる側(=学生)が教える側(教授)を評価する制度があるので、あまりにも教え方が下手だったら、契約が更新できないこともありますが、学生が満足すれば低評価にならないので、それほどひどい評価を受ける人はいません。それよりも予算がないとか学生数が十分にいないという理由でコースが開講できず教え続けられなくなるケースが多いです。

 

スポーツのコーチは指導法によってチームが急に強くなったりすることもあるので、コーチの手腕はとても重要です。言語教師の場合、指導法によって飛躍的に言語力が伸びるというのは、あまり聞いたことがありません。

 

娘は「ママが私に日本語を教えてくれたから、日本語が上手になったんだ」と言ってくれますが、おそらく娘の場合、私がどのように教えてもそれほど差は出ず、どちらかというと本人が日本語のもの(アニメ、マンガ、ゲームなど)が好きになったから日本語力が伸びたのだと思います。娘だけでなく自分が教えてきた学生も、私の教え方がよかったからというよりは、本人の地頭がよくて上達していったのだと思っています。

 

だから、私が他の人に「言語の教え方」を伝授することがあるとすれば「自分の力を過信せず、習う側の気持ちに立って、学習意欲が高まるような授業をする」ということくらいでしょうか。知らず知らずのうちに「ベテラン教師」の域に入ってしまった私は「自分は教え方が上手いんだ」と過信しないように常に自戒しています。

 

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