昨日は日本とアメリカの小学生が日本語と英語で交流するイベントの日でした。

私は大学でアメリカ人に日本語を教えているので、大学生同士の似たようなイベントをしてきたのですが、意外と大学生より小学生の方がうまく交流ができていると感じるようになりました。

 

大学生の場合、アメリカ側の学生はほとんどが大学に入ってから日本語を勉強し始めて3−4年目くらいなので、日本側の大学生が普通に話す日本語はあまり理解できなくても仕方ないというあきらめの気持ちがあります。それよりも少しはコミュニケーションが取れれば大満足なのですが、英語の場合、日本人はほとんど全員が10年くらい英語を学校で学んでいるのに、急にアメリカ人の大学生が普通に話す英語を聞いて全然わからないとかなり落ち込むようです。それで気がつくと英語の時間にはアメリカ人の学生同士が英語でしゃべっているだけのようになってしまうこともありました。

 

最近は、日本の大学生も英語で授業を受けている学生や帰国子女の学生など英語が得意な学生さんが私の勤務校と交流したいと言ってくれるのでバランスがよくなってきました。それでも日本の大学生は英語を話すことにかなり抵抗があるようです。

 

小学生の交流会は、「おうち英語」をしている日本の小学生に募集をかけ、アメリカ側は日本語で教科を勉強しているイマージョンプログラムの小学生と提携してZOOMでの交流からスタートしました。「おうち英語」をしている日本の小学生は土曜日の早朝に自宅から参加していたため、ICTの使い方に慣れていないとか保護者が勝手に動画を撮ってしまうなどの問題もありました。今は日本で英語プログラムがある小学校とアメリカの日本語イマージョンプログラムの生徒が授業の一環としておこない、子供たちの会話を促す「ファシリテーター」も私の学生(アメリカの大学生)にやってもらうようになりました。

 

子供たちの交流を何年も見ていて、やはり大人の介入が多少は必要だと強く感じます。それは親ではなく学校の先生でもいいし、この交流会のように「ファシリテーター」の役目をする大人のボランティアでもいいのですが、大人が入っていると子供だけで話をするより、会話のキャッチボールがうまくいくようです。

 

我が子が小学校の時、友達同士で遊んでいる時に私はよくつきそっていました。娘の成長が遅かったこともあるのですが、私自身 小学校の頃、近所の友達と遊んでいてずっといじめられても親に言えなかったことなどもあったので心配していたんだと思います。英語で子供達が話しているのを聞いていると、ネイティブの子でもけっこうデタラメな構文でしゃべっていたり、質問なのかひとり言なのかわからないような話し方をしている子もたくさんいました。娘も楽しそうに一緒にいるけれど、全然関係ないことをただしゃべっていたこともありました。個人差はあると思いますが、子供同士でも意味のある会話が成り立ち、いわゆる「話す力」が相互に伸びていくのは小学校高学年くらいじゃないかと思いました。もちろんモノリンガルだったらもっと早い時期に大人のような話し方になって意味交渉も難なくできる可能性はあります。

 

親の母語以外の言語を子供に習得させたい場合、幼少期は一方的なインプット(映画や動画など)を大切にして、5歳くらいから10歳くらいまでは無理に同年代との会話を促すより、大人と子供数人のようなグループで会話を楽しみ、高学年になってから定期的に同年代との交流をおこなうと効果的なのかなと思いました。

 

日本での早期英語教育でいうと、まず英語を話すことへの恐怖心や羞恥心を取り除くことが一番大事なのではないかと思いました。そういう心理的な要因をもっと研究する言語教育者がいてもいいのにな〜と思います。

 

ランキングに参加しています。

クリックよろしくお願いします!

 にほんブログ村 子育てブログ バイリンガル育児へ
にほんブログ村