これまでの人生で数回

 

日本語って文法ないですよね

 

と言われたことがあります。それを言った人は日本で会った日本人の人でおそらく英語は学校で「文法」を習ったけど、日本語は文法なんて習わなかったけど話せるようになったし、読み書きもできるようになったから「文法なんてない」と思ったのでしょう。

 

実際、ある言語を自然習得した人は文法が内在化していて、規則を習わなくても自然と正しい文を生成できるようになります。

 

日本の「国語」の授業が「文字の習得」に重きを置いているのに対し、アメリカのLanguage Arts (言語)の授業では「読み書き」も最初の頃から単語単位のスペリングから始まり、かなり早い時点でいわゆる「文法 Grammar」を教えることになっています。

 

「〜ことになっています」と書いたのは、アメリカには一応 Common Core Standardsという連邦政府の教育の指針のようなものがあり、幼稚園(K)から12年生までに いつ何を教えるかというリストがあります。それによればSkill とKnowledgeに指針が分けられていて、Language Arts (言語)の授業では 幼稚園(K)から少しずつ文字に触れさせ、決まり(文法)を教え、文字が読めるように指導することになっています。フォニックスなどを用いて音と文字の関係も教えることになっています。

 

けれど実際にはCommon Core Standardsをまったく無視して、自分のやりたいように教えている先生も多いし、州によっては習う順番や内容も全然違ったりするので、親がミリタリーに勤めている子供がしょっちゅう転校したりするとどの教科でもまったく習っていない項目が出てきたりします。

 

よく言えばクリエイティブ、悪く言えばいいかげんな先生がいる学校に通うと小学校5年間で一度も「サイエンス(理科)」を習っていないとか、小学校時代は工作ばっかりしていたなんて人もいたりします。言語に関してはもっと顕著で「知っていて当たり前」の文法をまったく教えない人の方が多いんじゃないでしょうか。

 

娘は常々「小学校でさんすうや理科を習った記憶がない」と言います。さんすうの基礎は補習校で培ったもので、現地校では何も習わなかったと言い張ります。それが事実かどうかはさておき、英文法に関しては小学校5年生の時、少しだけ練習問題をやった時期があった程度です。

 

 

実は日本の小学校の国語の教科書にも 外国人に日本語を教える時に使うようないわゆる「文法項目」は載っています。私は日本で教職を取っていないので、実際に小学校の国語を日本の小学校の先生がどのように教えているのか知らないのですが、アメリカで英語が母語の人に日本語を教えていると、補習校で「国語」を教える時にも「文法」の項目に重きを置いて教えたくなってしまいます。

 

日本語も英語も自然習得した娘と話していて、このコはどうやって文法を習得したのだろうと不思議に思うことがよくありました。いわゆる非母語話者がするような文法上の間違いはほとんどしませんが、言い間違いやスペルミスは母語話者の子供と同じようにフツーにあります。系統的に文法を習わなくても内在した能力で間違いを治していくことができるのでしょうね。でもそれが一体、何歳くらいでどのような形で習得したのかは近くでずっと観察していた私でもまったくわかりません。

 

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