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私の亡き母は「冠婚葬祭はきちんとしなさい。何かをいただいたら心をこめたお返しをして」と言っていたので 母の葬儀の後のお香典返しや法事やお墓参りは母の教えに従おうと努力してきました。
母は私の友人のグループに寄付金を用意していました。このグループは大学時代の友人8人くらいで作ったのですが、ひとつの口座にみんなで積み立てをしていて10年後にみんなで旅行に行こうという趣旨のものでした。私の母は「絶対にそんなことをしてはいけない」と言い続けてきました。友人間で金銭のドラブルがあってはいけないというのが反対している理由でした。月々五千円を振り込むか年に2回会って3万円ずつ幹事に預けるかという形式にしていたのですが、実際誰かが振り込んでいないと連絡するにも取り立てのようになってしまうし、年に2回会うと言ってもみんな仕事をしていたり、子育てをしていたりで、全員がそろうこともほとんどありませんでした。
でも父が亡くなった時、そのグループの友人がみんな葬儀のお手伝いに来てくれて母は自分がいなくなった後、頼れるのは友達だと思ったのでしょう。当時 独身だった私は両親が相次いで亡くなり、その友人グループにはとても助けられました。
母が「寄付」という形でグループに払いたいと思ったのは、きっとこれからお世話になるであろう友人へのお礼の気持ちだったんだと思います。
その友人は私が20年前にアメリカで結婚式をした時、みんなでそのお金を使ってはるばる日本から来てくれました。当時は飛行機もホテルも今の5分の1くらいの値段だったし、結婚式がメインだったので、みんなはそれぞれロサンゼルスを観光したりショッピングしたりしただけでも十分楽しんでくれたと思います。
少し前に友人のお子さんの結婚式に招待されたのですが、式と披露宴はご招待だけどその前後の宿泊やそこに行くまでの交通費(私の場合は航空運賃)は自前だったので、当人にとってはほとんど知らない親の友人のために披露宴のお食事代や引き出物を用意するよりは、自前で払おうと思っていた宿泊代や交通費の分をお祝いに加算した方がいいのではないかと思って欠席にしました。
その後で、友人のお子さんは一人っ子で親戚が少なく相手の方は大家族だということを知り、双方のゲストの人数に差があるとよくなかったのかなと思いました。
実際 私の結婚式の時も夫側は両親と兄家族が日本から来て、私の方はこの友人グループが来てくれなかったら叔母ひとりだけだったのでちょうどよかったのかと思いました。母はこういう事態も考えていたのかもしれません。
その後、ずっとアメリカにいる私は、友人のご両親の葬儀などに参加したことがないし、最近はみんなご高齢で亡くなっても家族葬でお香典は辞退されることが多くなりました。友人曰く、お香典を送ってもらったりしてもお返しをするのが却って面倒だからということでした。私は自分の両親の葬儀の時にはみんなが来てくれたのに不義理をしているような気持ちになっていたのですが、最近は「何かを送ってこられたりお金をもらうと却って面倒だ」と感じる人が多いということを知りました。私もあまり親しくない人が娘に(しかも親には内緒で)お金をくれたりすると本当に気が重くなるので同じ気持ちなのかもしれません。