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私たち文明社会で生きている人間は「同じ歳」の人と常に比べられ、競い合って生きていきます。
比較というか差が一番顕著なのは 産まれてから4歳くらいまででしょうか。
子供の成長曲線を見てもわかるように人間を含めてほとんどの動物は産まれてからの数年で大きく変化します。
そして発達と成長が著しいときには昨日できなかったことが急に今日できるようになったり、ある場所(病院とか学校とか)では全然できなかったことが家では簡単にできたりというようなことが起きます。
私はアメリカの大学院で特別教育を学んでいた時にこの個人差についてよく考えさせられました。そして当時 父が闘病生活をしていて日に日に弱っていく姿を見ていたので、成長と同じように弱体化というか衰えていくことにも興味を持つようになりました。
ひらがなと文字の習得についてある幼児教育の専門家が「子供は今日は『あ〜こ』まで覚えて明日になったら『か〜そ』を覚えるというような覚え方はしない。ある時 ひらがなの持つ意味(自分が発している音声や目にしている本の『字』であること)を理解した時にものすごい勢いで習得するのだ」と言っていました。それなのに大人はなんとか子供に文字を教えようとします。そこで子供に優劣をつけ一喜一憂します。
逆に「老い」に関しては遅ければ遅い方がいいのであって90歳になってもまだクルマを運転できたりすると「いつまでもお若いですね〜」と讃えられたりします。
でも子供の発達がなだらかな曲線ではない子がいるように老いもなだらかな曲線を描く老人よりも「ある時 ガクッと」型が多いようです。
同年代と比べて競い合ってきた私たち人間は、この個人差を許容できず100歳近くになった老人同士を比べて「どこどこのおじいちゃんはまだあんなに元気で介護も必要ないのになんでウチの親は...」と落ち込んだりします。
このマインドセットをなんとか打ち消したいと思っても社会全体を変えるのは難しいですよね。