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昨日、日本で、家庭内だけで英語学習をしてもかなりの英語力が延ばせる可能性についての記事を書きました。
これはその記事の続きで、英語圏に移住・留学すれば 英語学習は学校外で特別なことをしなくても大丈夫かということについてです。
 

英語圏(例えばアメリカ)の現地の学校(現地校)では英語による教育が施されるわけですが、学校に行っていれば自然に英語が習得でき、母語話者の平均能力に達するというわけではありません。これは昨今の日本国内の外国人労働者の帯同児童・生徒が「日本語支援」を受けてもなかなか日本語ができるようにならないのと同じです。特に親の言語能力や教育への関心が低いと児童・生徒はなかなか学力が伸びていかないというデータもあります。

 

「でもウチの子はアメリカに来て最初からESLのクラスを取らないでいいと言われたし、学校の成績も悪くないから英語は大丈夫ですよね」とおっしゃる日本人の保護者の方によく会います。

 

そういう方のお子さんが通っている学校は、ESLのクラスを必要とする生徒が多すぎるか少なすぎるかの両極端であることが多いです。ロサンゼルスのような大都市で移民が多い地域では ESLのクラスを必要とする生徒が多すぎて親がかなり強引に権利を主張しないと「大丈夫だから通常クラスにいて」ということになりがちです。また日本人のお子さんは概ねおとなしく問題行動を起こさないのでクラスに置いておいても困らないとみなされます。

 

まったく初めての文化や言語を媒体とした学校に入るよりは 最初の数ヶ月でも自分の母語が使えて特別な指導をしてくれる学校を選んだ方が最終的に新しい言語や文化が習得しやすくなります。こういう段階を踏んだ言語習得の教育法を私たち研究者はよく「軟着陸(soft landing)」という言葉で表現しています。

 

そしてある程度、英語による日常的な言語使用が可能になってからは 英語圏に住んでいても学校外で「英語学習」を続けることをおすすめします。

 

日本で就学時まで家庭で英語を使用して英語での会話の基礎ができたら、小学校以降は「外国語としての英語教材」ではなく、英語圏の小学生の教科学習の教材を使って英語学習をしていくと年齢相応の知識を英語で得ることができるようになります。これはアメリカを含む英語圏では現地校で提供されるわけですが、きちんと知識が身につけるためには、よほどレベルが高い教育をしてくれる学校に通っていない限り、学校外学習が必要になってきます。

 

一般的な親御さんがこの「学校外学習」を牽引していけるのは日本でもアメリカでも小学校3年生くらいまでかなと思います。(もちろん例外はありますが)