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以前に研究者としての私の仕事の関係で、リサーチの許可が取りにくい大学の先生が私がおこなったリサーチについて匿名で誹謗していると言う記事を書きました。

 

 

その時にも書いたのですが、アメリカには大きく分けて2つのタイプの大学があり、リサーチを主にする大学か学生を教育することが主目的の大学かによって教員の仕事の幅も変わってきます。

 

私のように一般教養の範疇の「言語」を教えている場合には、どちらのタイプの大学でも仕事内容はあまり変わりません。実際「日本語教育」の学会では「こんな教え方しています」的な実践報告が多いのですが、中には自分の学生の言語能力を数値化してリサーチ結果として発表したり、自分が研究した言語学の研究成果を発表したりしている人もいます。そういう研究で学生のデータを使う場合でもきちんとリサーチの許可を取っている人は少ないようです。

 

小さい大学だと文学や日本学の教授が日本語(言語)のクラスも教えている場合が多く、言語だけを教えている教員が複数いる大学は大規模な州立大学や日本学やアジア研究が盛んな私立大学がほとんどです。

 

大学生(学部生)として大学を選ぶ場合にはResearch University(リサーチ大学)でもTeaching University(ティーチング大学)でもあまり関係ないように思います。一般的にはResearch University(リサーチ大学)の方がランキングが高いことが多いですが、先生の質や授業内容はあまり変わらないんじゃないでしょうか。

 

大学院になるとTeaching University(ティーチング大学)で博士課程まである大学は限られているようです。修士(マスター)までは比較的入りやすく学費も安いTeaching University(ティーチング大学)で取って博士課程で他の大学に移る人もけっこういるようです。

 

大学院もいわゆる「研究」が主体のコースと、ロースクール(法科大学院)やMBA(経営大学院)やメディカルスクール(医学部大学院)のようにプロフェッショナルスクールと呼ばれるある一定の職業に向けての大学院があります。

 

メディカルスクール以外にデンタルスクールとか看護学部も大学院のコースがあり、日本と違って大学1年生から医学部や歯学部に行くのではなく大学で文系だった学生でも大学院から医学系大学院に行く人はけっこういます。

 

こういうタイプの大学院(プロフェッショナルスクール)は入学前に奨学金や学内でリサーチャーとして働くことが約束されていないことが多いのですが、最近は優秀な学生を学部生のうちから「自分のラボに来るなら学費免除になる」と青田刈りする教授も出てきています。大学によってはPre-Medという医学大学院に行くことを前提とした理系のコースがあって大学1年生の時からそのコースでは決まったクラスを取って担当の医学部の教授に指導を受けられたりします。私の勤務大学も最近はこのPre-Medのコースで入ってくる学生が出てきました。

 

前の記事で書いたように 大学院でもトランスファー(転校)はできるのですが、修士課程は1〜2年なので、修士から博士になる時に修士論文で実績を作って博士課程で希望の大学に行った方がいいように思います。特にロースクール(法科大学院)やMBA(経営大学院)は途中で転校することにはほとんどメリットがありません。

 

最近 アメリカの大学は学費が高すぎるので、学費が安いコミュニティカレッジ(2年制の短期大学)でコースをたくさん取ってから4年制大学にトランスファー(転校)したほうがいいという人によく会いますが、これも良し悪しなのでよく調べて決めた方がいいと思います。