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アメリカ人の大学生に日本語の「敬語」を教えるために、実際に就職面接を受けてもらうという課題をおこなっているのですが、今まで20年ほど日本語上級の大学生の就職面接を録音して分析したところ いろいろな気づきがありました。

 

まずアメリカ人の大学生はいくら上級だと言っても日本語は母語ではなく、英語で面接を受ける時より緊張するし、答える内容よりも正しく日本語を話そうとするため、深い内容を話さないことが多いことに気づきました。これは「日本語」のクラスの課題なので「日本語の正しさ」が評価の対象になるから仕方ないのかなと思います。

 

アメリカの就職面接ではよく「長所と短所」を聞かれ、短所を言うと「どうやってその短所を克服できるか」という質問をされることがあります。この質問の答えにも傾向があることに気づきました。

 

私の学生で、一流企業に就職が決まった学生の多くは、面接練習で自分の短所を「人に頼るのが苦手」と言います。つまりこの答えは裏を返すと「自分に自信があり、人に頼らず自立できる」という意味にもなります。自尊心が高く自分に自信があると他人の意見に流されず、人に頼らない人が多くなりますが、これはチームで働く場合には短所になりうることをこの大学生たちはわかっているのでしょう。

 

我が子を見ていると、アメリカでは日本よりもずっと「共同作業」で何かを成し遂げていく課題が多いと思います。特に小中学校の時はグループワークが多く「人に頼るのが苦手」とか「人と一緒に何かを作るのが苦手」な子供は苦労します。私の娘も非常に苦労してきましたが、だんだんよくなってきました。

 

私の’クラスを履修する学生は、アジア系で特に日系人が多いので娘と重なる部分が多く、きっとこの学生たちも小さい頃はグループ活動が苦手だったのかなと思ったりしました。特にきちんと比較したわけではないのですが、日本からアメリカの大学に留学している人より、アメリカで初等教育を受けた人の方がグループワークや人に頼るスキルは得意なような気がします。