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私の周りには高学歴の人が多いのですが、アメリカの大学院で修士号 (MA) や博士号(PhD)を取った人の中にも まったく『リサーチ』というものをやったことがない人もいます。

 

リサーチの定義はとても広く 英語でResearchしたというときには「調べる」くらいのニュアンスから、データを集めて分析するいわゆる「研究」まで網羅しています。

 

人文系のリサーチだと 図書館に行って文献を調べたり、当事者に話を聞いたり という方法が多く、どちらかというと理工系に比べ規定がゆるいことが多いです。理科系のリサーチで、特に医学系は人体実験などもするため、許可を取るために、事前に正しいリサーチの方法を学びプロポーザルを書かなくてはいけません。

 

またリサーチをする場合には、事前にどんな先行研究があったか、すでにどんなことがわかっているかなどを示し、自分がこれからおこなう研究の意義をしっかり書く必要があるのですが、これも人文系は「あまり研究している人がいない」というような単純な理由でもまかり通ることがあります。それは人文系の研究のほとんどが、スポンサーがなくてもできる簡単なもので、自分で好きにやっている分にはどうしてその研究をする意義があるかを他人にわかってもらう必要がないからです。

 

こういうことを書いたらまた敵を作りそうですが「そんなこと知ってどうするの?」みたいな研究を自慢げに発表している大学の先生はけっこう多かったりします。

以前に東京のデパートの案内に何語が使われているかを実際にいくつかのデパートに行って調べたという研究を発表しに わざわざアメリカの大学にまできた日本人の先生がいました。そんな小学生の夏休みの研究のようなことを自分のゼミの大学生にさせて、その結果をまとめて発表して「日本の国際化」について論じていることに驚いたのですが、いまだによくわからない研究をしている人は私の周りにたくさんいます。

 

人がどんなことに興味を持ち、自分のお金と時間を使って研究するのも自由だと思いますが、そんな研究でもやったら単位をあげて、学位まであげてしまう大学教育はなんだかな〜と思います。

 

娘はまだ高校2年生なのに、私の周りの人よりずっとしっかりしたリサーチメソッドを習っているように思います。まだ人文系の先生は Chat GPTを使うな、とか他の人が書いたものを使うときはちゃんとCitation しなさい、くらいの指示ですが、理工系の先生は高校生にもリサーチの方法や資料の探し方や生成AIの使い方をしっかり教えています。

 

私の(大学の)クラスに来て、初めてリサーチ方法を習ったと言っている学生はたいていコミュニティカレッジからの転校生で、高校時代は特に勉強せず 最低単位を公立校で取った人たちです。確かに大学に行ってリサーチをする必要がなければ、こういう知識は高校生には必要ないですよね。

 

最近は日本よりもずっと激しくなってきたアメリカの教育格差。これから生成AIやデジタルツールの発展によって、どんどんリサーチ方法や知識の伝達方法が変わっていくとにつれ、この格差はどんどん広がっていきそうです。