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昨日、日本語と英語のバイリンガルの大学院生と話していて、私の子供の言語使用について質問されました。特に強制していないけど娘はずっと日本語で私たちと話すと言ったらけっこう驚いていました。
私は長年、言語教育に関わっているのですが実は耳が遠いというか聞き取り能力が低いという致命的な問題があります。
学生が自信なさげに小さい声で発言する時、必死に聞いてあげようとするのですが自分が声が大きいせいなのか本当に申し訳ないけど学生の声が聞こえないということがよくあります。
娘が小さい頃、自信がないというよりは息の出し方が弱くて声があまり聞こえないことがありました。特に英語の発話が聞こえにくくて「え?」と言ったり無視してしまうことがあったせいか 娘はあまり私に話しかけてこないようになってしまいました。
夫も娘がフツーの速度で英語を話すと「え? 何?」とか「欧米か!!」と古いジョークを言うので娘はすぐに日本語に切り替えます。
バイリンガルの人にインタビューすると よく「私の父は英語しか話せなくて 母は日本語しか話せなかったので、私がふたりの通訳をしているうちに両方話せるようになりました」というのを聞いたことがありました。子供が生まれるまでその夫婦は一体どうやってコミュニケーションを取っていたのだろうと思うのですが、おそらく子供ができてからは自分にとって楽な言語で話してもお互いがわかりあえるし、子供は両方が理解できるから日常生活に支障をきたさなくなったのでしょう。
「私のお母さんは英語ができないから、お母さんのために通訳をしていた」というアメリカ人の人にも数多く会って来ました。
このように 親が英語ができなくて 英語圏に住んでいると子供が親を助けようと一生懸命英語も日本語も上手になるために努力するという例はけっこうあるのですが、我が家のように親が自分が言ったことを聞き取ってもらえないから、声が大きくなったり、親にとって聞き取りやすい言語を使わざるを得ないという例もあるのでしょうか。まだ聞いたことないけど、こういう例がたくさんあるのなら「聞こえないふり」をして使用してほしい言語の発話を促すこともできそうですよね。