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私は幸か不幸か まだ字が書けない時期に英語圏で生活するという体験をしました。
今から半世紀前のことで、インターネットがないのはもちろんのことテレビもあまり普及していませんでした。
私は就学前だったので取り立てて苦労はしませんでした。そしてこの時期に文字を媒介せずに英語の音に多く触れられたのは、私のその後の人生に大きな影響を与えたと思います。
私が小中学校の頃は まだ帰国子女のための特別クラスは存在しませんでした。ウィキペディアで見たら、日本で初めての帰国子女のクラスは70年代にはできたようで私がもう少し長く英語圏に住み、学校にも通う年齢に達していたらそういう学校に行くという選択肢もあったのかもしれません。
私は普通に公立の小中学校に通い、中学から英語を習い始めました。その当時、最初に習ったのは英語のアルファベットの書き方。4本の線があるノートに大文字は上の線まで使って小文字は下の線までで、いくつかの文字は上の線まで(fとかdとか)いくつかの文字は下の線まで(gやq)というふうに習い、字が上の線に届いていないとXになったりしました。
アメリカ産まれの我が子が4歳の時、モンテッソーリのプリスクールで筆記体から先にアルファベットを書く練習をするというのを聞いて、私もアメリカ人のモンテッソーリ教育を知らないママ友もかなりビックリしました。
娘は紙質の悪い練習シートを使ってスクールで筆記体の練習をしていました。
日本の友人がハローキティの英語ノートを送ってくれました。
それを娘に持たせたら、プリスクールの先生が「これは線が細すぎてこの年齢の子には使わせてはいけません」と言いました。
私は日本で児童英会話のスクールを自宅でやっていました。ハッキリと覚えていないのですが、確かに子供用の英語のワークブックは線が少し太かったように思います。
この経験から娘が日本語補習校の幼稚部から1年生にあがった時に、1年生の担任の先生に「もう少し大きい枠でひらがなや漢字を練習させた方がいいと思います。市販のひらがな練習帳には中に点線(リーダー線)がありますよね。絵日記もマスがあるものの方が子供は書きやすいと思うんですが....」とよせばいいのに意見してしまいました。
言い訳がましいかもしれませんが、私は当時 娘が通っていた補習校の教員をしていたので、先生に意見したと言っても同僚にアドバイスという立場だったのですが、この後 かなりこの先生には煙たがられ、娘にも悪影響が出てしまいました。
今は小中高で日本語を教える先生方を指導できる立場になったので、教育学と発達学の見地から認知機能と運動能力と文字の大きさの関係を説明し、子供の成長にあった文字の大きさ、いつどのように文字を書くことを教えるかを先生に向けて指導しています。
意外とお母さんだけじゃなくて、先生もこの大事な子供への「文字の導入」をきちんと認識していない人が多いな〜と感じている今日この頃です。
少し前にも書きましたが、重箱の角をつっつくような「線の上までfが届いていないからx」とか「ひらがなの『さ』はつながっていたらx」みたいな指導をしている割には、肝心のバランスよく字を書くことの大事さを子供の発達から考えてあげられる先生がいないのが残念です。