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先日、いろいろな日本人の英語を聞く機会がありました。その人の年齢や職業や英語学習歴を知らされずに、2分くらいの英語を聞いて「わかりやすさ」と「流暢さ」「訛りのあるなし」を評価するという作業を延々とやりました。

 

「訛りがあるかどうか」というのは、Accentedness という専門用語があって、外国語や第二言語を話す人が、どれだけ母語(今回の場合だと日本語)の訛りが英語に影響しているかを判断することです。

 

この判断は誰でもできて、2分も聞く必要はなく たいていは10−20秒の発話を聞けば十分です。大抵の場合、ある部分はとって〜も上手だけど途中からすごく下手になるということはなく、暗記して何度も何度も練習したフレーズ 例えば

 

Hello, How are you?

 

だけ聞いてもその人に母語の訛りがあるかどうか、英語母語話者っぽいかどうかは、普通の人でも判断できます。これをAIにやらせれば、どれだけ母語話者の発話とずれているか(イントネーションだったり、1音ずつの長さだったり)で数値化することもできます。

 

英語母語話者にだって 様々なアクセント(訛り)があるし、話し方も人によって違うと思われがちですが、直感で「この人は英語が母語かどうか」というのはわかると言われています。また 日本人が様々な方言を話したとしてもある人の発話を聞いて「日本語が母語の人の発話だと思うか」と質問されたら、かなりの確率で当たります。

 

実際に50人くらいの提供者(英語の発話を録音してポータルに入れる人)の発話を被験者(評価者と私たちは呼んでいる)30人くらいに聞いてもらって「英語母語話者かどうか」を判断してもらったら、ほぼ全員が正解していました。

 

中にはとても音感が良くて、英語を母語話者のように発音できる非母語話者もいるのですが、「わかりやすさ」の判断では、発音がよくても内容が伴っていないと評価が低くなります。この場合は数分の発話を聞いて判断してもらうのですが、一度 その発話サンプルが「母語話者じゃないな」と判断してしまうと、聞き取ろうという努力をしてしまってわかりにくくてもわかってしまうーつまり評価を高くしてしまう人もいます。英語の場合、発音が悪すぎて通じないということは、生身の人間と話している場合には起こりにくいのですが、相手がAIだと聞き取ってもらえないことがよくあります。

 

この違い(人間 対 AI)は何が要因なのか...これを来年の学会発表までにある程度明らかにできたら、と思っています。