私はアメリカで「日本語」を教えることを生業としているのですが、私の知る限り「日本語教師」であることに誇りを持って天職だと思っている人はとても少ないです。

 

そういう私も自分の仕事の中で一番大きい比重を占めているのが「大学生に日本語を教える」という仕事なんですが、それに付随するというか関連する「言語教師養成」や「言語習得研究」のほうが自分のキャリアを語る上で「はくがつく」と思うことがよくあります。

 

アメリカの大学は特に「Teaching University」と「Research University」のすみわけがハッキリしていて、Research Universityはリサーチをして新たな発見や理論を発表することが教員の大事なミッションとなります。

言語を教える人はリサーチの必要性がないと見なされているのでTeaching Professor, Teaching facultyのように「この人は教えるの専門ね」という立場であることが多いです。医学部でも臨床をする人とリサーチをする人だとリサーチだけをする教授の方が地位が高いと思われているようです。

 

それでもアメリカの中でトップランクのリサーチ大学の教員だと、そこそこいい待遇というかステータスが高いような扱いを受けますが、本当によく聞かれる質問が

 

Do you teach undergraduate or graduate (courses)?(学部生と大学院生のどっちを教えているの?)

 

という質問です。語学の授業の場合、ほとんどが一般教養の必修の1つとして外国語のクラスを取るわけですが、コース(クラス)によっては大学院生も取っているし、専攻の学生だけが取る少人数のコースもあります。

20年ほど大学に勤めていてだんだんとこの質問のうまい答え方がわかってきました。

 

I mainly teach upper division courses. It is for undergrad and graduate students. (私は主に必修じゃない専門コースを教えていて学部生も大学院生もいるのよ。)

 

こう答えるとたいていの人は納得して「うむ、この人は専門的なことを教えられるんだな。」と満足げな顔をしてくれます。

 

ただ ず〜っと思っているんですけど、言語ってその言語を話せる人なら誰でも教えられるって思っている人が本当に多くて低く見られること多いんですよね〜。そして自分のやっていることにプライドを持っていない人とかプロ意識が低い人も多い業界で 時々「なめられてるな、日本語教育」って思うことがあります。

 

そして昨日もいろいろな方と話していたんですが、今『教師』って世界的に人気がない職業ですよね。

娘は私ののほほんとした生活ぶりを見て「大学の先生って休み多くていいね〜。」と言っていますが、果たして憧れの職業かというと違うな〜と思います。

 

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