今月は日本での英語学習について50家族のケースステディのうち、12から20番目のご家族を紹介していきます。研究のためにデータ使用許可をもらっていますが、ブログに載せている時に、住んでいるところや学校を多少変えています。

 

15番目のご家族はこちら。

 

ご主人― アメリカで日本語を学習し現在は日本の大学教員

奥様―英会話スクール講師

お子さんー5歳の男の子

 

このご家族は前にも話題にしたことがありましたが、ご主人が子供の身の安全を守るために日本に移住したケースです。ご主人は南米からのアメリカ移民の家庭の出身で、奥さんは日本人です。2人はアメリカで知り合って子供が産まれる前はアメリカで暮らそうと思っていました。ただご主人が自分の肌の色(褐色)のために受けた様々な差別を考えると同じような差別を受けたとしても日本の方が安全だと思って日本に住むことにしたと言っていました。

最初は奥さんの希望で、家庭内では英語で会話し、英語で子育てをしていました。奥さんは「夫の変な日本語を聞かせたくなかった」と言っていますが、ご主人はそれほど日本語が下手というわけではありません。そしてお子さんが幼稚園に入る頃、発達検査で言語の発達が遅いと言われ、英語でも検査してもらったそうです。いずれにしても言語発達が遅いと診断され、あわてて日本語だけで話すようにして2年が経ったところだと言っていました。

 

インタビュー当時5歳半で幼稚園年長だったお子さんは日本語での会話はまったく問題なく、英語も奥さんが勤めている英会話スクールの小学3年生のクラスにいるそうです。その英会話スクールは全国展開のスクールで子供部門は英検コースや学童コースなどがあるそうです。小学3年生のクラスというのがどの程度のレベルなのかは(教材を見せてもらっても)よくわかりませんでしたが、日本の英会話スクールでよくある「進級テスト」のようなものがあって、レベル別にわけていて年齢より上のクラスに入れると親御さんもお子さんもハッピーになるようでした。

 

このご夫婦の「これから 日本で生きていくならまず日本語をしっかりやらせないと」という考えは、戦前に移民した日系人が2代目くらいから日本語をまったく話せなくなってしまった現象に通じる考え方です。両極端にどちらかの言語だけに集中するのではなく、せっかく二言語環境があるのなら、もっとフレキシブルでいいのではと思いました。

 

 

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