今から17年前、私は一度だけ「来年は(日本語の)初級を教えさせてください」とお願いしたことがありました。

理由は、ただ一つ 当時の私の勤務大学では初級だけが週に2日教えればよくて、中上級だと週4日教えなくてはいけないからでした。当時、不妊治療をしていて、私の担当の先生は週3日だけ私の勤務大学の病院に来ていました。タイミングが合わなければ数ヶ月も待たないと先生に診断すらしてもらえない状態だったので、時間の融通が効く方がよかったんです。

 

事情も説明してその年の9月(新学期から)週2回教えればいい初級の担当になったのですが、運よくその夏に妊娠し、9月末の新学期が始まる頃には18週くらいになっていました。

 

その後、無事 娘が生まれ産休から復帰し、その翌年も初級と上級を教え、週2回の勤務のままだったのですが、その頃から初級の教授法に疑問を抱いていました。私たち教員が週に2回、100人近くの学生を大教室に集めて 英語で文法を説明し、翌日TA(アシスタントの大学院生)が練習をさせるのですが、教科書には英語で詳しく文法の説明が載っているし、それを読めば週2回も講義を聞く必要はないし、100人近くのクラスでは練習させてもフィードバックはあげられないしあまり意味がないように思いました。

 

そこで、この100人相手にやっている講義をビデオに撮って、学生に見せておいてクラスに来たら練習だけするようにすればもっと効率がいいのでは...と提案したのですが、当時、中国語や韓国語のディレクターを始め、私の上司も「何を言っているんだ」というような態度で聞く耳を持ちませんでした。

 

そうこうしているうちに反転授業を呼ばれるこのシステムはみるみるうちに人気が出て、現在は多くの大学のほとんどの言語で取り入れられています。日本語でもこの方法で教えているプログラムはたくさんあります。

 

別に私は「ほら、私が前に言ったじゃない」などと言う気はないのですが、それから15年経っても まだ「そんなの先生に負担がかかるだけで学生は喜ばない」「そんなの大学の授業じゃない。どっかのオンラインレッスンみたいだ」と言い続けている同僚が多いので、もう放っておこうと思っています。

 

やっぱりこれからは日本語教育じゃなくて、英語教育かな〜とひよっている私です。

 

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