同時性バイリンガル習得者と言われる子供の頃から2つの言語を同時に習得していった人は、ある時期、両言語のバランスが悪くなる時期があります。
 
たいていの子供は8歳から9歳くらいで「壁」に当たり、その壁を乗り越えないとひとつの言語の習得が止まり、モノリンガルになっていきます。この壁を乗り越えるのは「日常的に2つの言語が使えるようになっていて、2つの言語で教育を受けている必要性」があります。
 
例えば家庭内は日本語、学校では英語で生活していると、両方の言語をバランスよく習得できるように感じるかもしれませんが実際には家庭でもかなり「学習に必要な語彙」を意識的に使わないと両言語のバランスが保てません。
 
最近は「モノリンガル+α」という概念がかなり一般化され、ひとつの言語で生活し、その言語で教育を受けながら、もうひとつの言語(+α)の能力も伸ばしていくという試みです。
この方法では、母語以外の言語で「何ができるようになるか」が大事になってきます。
 
よく「日常会話ができる程度」という言語力の尺度がありますが、人が日常どんな会話をしているかは年齢や職業などによってまったく変わってくるので、そのレベルも様々です。
 
同じ意味を表す言葉が数通り、ある場合、頻度の低い語彙は意識的に覚えないと記憶に定着しません。ほかの言葉で言い換えられれば、敢えてその言葉を使わなくてもいいし、使われない語彙は当然 記録に残りません。
 
日本で開発された英語の試験は「頻度が低い語彙を覚える能力」がないと高いレベルにいけないものが多いです。アメリカで英語非母語話者の英語力を測るための試験(TOEIC, TOEFLなど)は、「頻度が低い語彙を覚える能力」がなくても高得点を取れるものが多いです。

この「頻度が低い語彙を覚える能力」は実は小さい時(8歳前)に鍛えておくといいと言われています。
よく小学校低学年で「英検○級に合格!」というお子さんの話を聞きますが、そういうお子さんにはこの生活と密着していないものをよく覚えられる能力が高いのだと思われます。電車の名前とか国旗とかをたくさん覚えられるのと同じ能力です。
 
記憶力は、21世紀にはもう役に立たないと言われて20年以上が経ちますが、最近 記憶力は自己肯定感と密接な関係があると言われ始めました。逆にいうと記憶力が低い、あるいは低下すると、自己肯定感に悪影響が出るということです。これは加齢による記憶力の低下などとは別に、幼い子供にもあるようで そのためには「記憶力」を強化するのに英語学習を使ってみるのは悪くないのかな、と思うようになってきました。
 

 

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