先週から今週にかけて、長年 バイリンガル教育というか海外での日本語(継承語)教育や日本人子女の英語教育に携わってきた方々と話す機会がありました。

 

割と昔から移民の人が自分の母国語を子供や子孫に継承させるための学校というのが存在していました。

ハワイやカリフォルニアのように日系移民が多い地域には戦前からの日本語学校が今も存続しています。

 

私が常に思うのが、そういう学校はいつの時代にも「お年寄り」が幅を利かせているのはどうしてなのかな〜ということです。

仕事として長く続けられるから、そういう方々は若い頃からやっていたのかな...と思うのですが、でもいつの時代にも「若い先生」がいないというか少ないんです。もしかすると80歳くらいまでお仕事を続けていた先生がやっと引退するとか(またはお亡くなりになるとか)で欠員が出ても60歳以上の人を雇っちゃうのかもしれませんね。

 

ではどうして、いつの時代にも日本語教育の特に継承語教育の分野は年配の方が多いのか...なんですが、その分野の方は女性が多く、しかも自分自身が海外で子育てをして、子供の日本語教育に疑問を感じたために自分で教育しようと思い立った方が多いからなのかなと思います。

 

最近は日本国内で「日本語教育者」のための資格制度を見直し、国家資格にするという働きかけも進んでいます。今まで「日本人なら日本語は誰でも教えられる」と思う人もいたし、実際に特に教育法などを習わずに日本国外で日本語教師になった人も数多くいました。

 

自分の子供に日本語を教えるついでに近所の子にも教えてあげようとか、近所の教会やお寺で日系人に日本語を教える教室のボランティアをしているうちに、学校を作って教え始めたくなったという方もけっこういたりします。

 

そんな中に、たまたま(というと語弊があるかもしれませんが)大学で日本語を教えている方がいたりするとちょっと「格上」のような存在になり、専門家が少ないことから、いつの間にか「重鎮」のような存在になっている人もいます。

 

私はもうかれこれ25年くらい前に、年配の女性がたくさんいる日本語学校にリサーチに行ったのですが、戦前から変わらないようなプリントを使って子供達にひたすら書写をさせていたりしました。そして毎週、毎週、同じことをしているのに いつまでたっても日本語がわかるようにならない子供が多いとブーブー言っていました。

 

今も(世代交代はあったとしても)同じように年配の女性が、今の子供にとっては何の面白みもない内容を嬉々として教えている学校もたくさん存在します。

 

自分が苦労して何十年もかけてやってきたことを、若い人には譲れないという気持ちがあるのかもしれませんが、それを続けていると業界全体が改善させていかないですよね。

 

 

そういう私も そろそろリタイアの年になってきて、あと数年で現役を退いたら、継承語学校を作って海外の子供に日本語を教えたいなんて思っちゃったりしたこともあったのですが、そういう方々を見て

 

道をあけなければいけない

 

と感じています。日本人として、年長を敬うという気持ちを捨ててはいけないと思うので、敢えて上の方に何かを言おうとはしませんが、自戒の念だけは持ち続けようと思っています。

 

 

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