このシリーズは私が27年前にアメリカ ジョージア州の大学院のSpecial Educationの修士コースで学んだ知識と11年前にアメリカ カリフォルニア州で自分の子供が体験したことと 友人や知り合いから聞いた話を基に書いています。どうぞアメリカで子育てをしている一保護者の経験談と外から日本の教育を見ている者の感想としてお読みください。

 

数週間前、アメリカの連邦政府は発達障害の治療に関する医学的リサーチや治療薬の開発に対して巨額の予算を投入すると発表しました。
 
日本では発達障害の初期診断は医療機関でおこなわれることになっています。そのため ここ30年で児童精神科や小児神経科の需要が高まりました。アメリカではほとんどの州の公立学校区には一定数の心理学のスペシャリスト(カウンセラー)が配置されることが義務付けられていて、学校内にある特別教育のセンターで診断をすることになっています。
 
教育機関の中に専門家がいて、正しい診断をして教育現場の先生に指示を与えられるのは合理的であり、学校でも自分の担当地域にどれくらい特別支援が必要な子供がいるかを把握しやすくいい制度だと考えられていました。
 
ただこの制度が学校区や学校によっては予算獲得の手段として悪用されたり、正しい判断が保護者や療育の専門家に伝わらないケースが度々 問題となってきました。
 
日本の場合はタイトルの通り、発達検査を医学が担い支援を教育現場が担うので、ある一定の地域の学校が自分の学校には 発達障害のため特別支援が必要な子供がたくさんいるので教員の数をふやしてほしいというような水増し要求はできないとされています。またアメリカは親が発達検査を受けるかどうかの最終判断権があり、またその結果を学校に知らせないと言う選択ができるのに対し、日本では 子どもが発達検査を受けてグレーゾーン、あるいは発達障害があるとされた場合にはほぼ確実に地方自治体や就学する学校には親から情報が共有されるでしょう。
 
我が子の経験で言うと、同じ大学附属のデイケアセンターと小学校の間には情報の共有はほぼ皆無でした。娘の2歳から4歳くらいの最初のデイケアセンターでの様子を知る人にとっては、今の娘の状態が信じられないと思う人は多いと思います。6歳から入った小学校の先生や心理カウンセラーはその時から娘を見ていて「発達遅延や行動の問題などがあったとは信じられない」と言い、私に「検査方法に不備があったのではないかと強く訴えた方がい」とまで言っていました。
 
どう親の贔屓目で見てもデイケアセンターにいた時の娘は、他の子より発達の遅れがあったと思うし、何よりも言語発達が著しく遅れていました。だから当時の診断は間違っていたとは思いません。もちろん知能テストの当日、娘がまったく話さなかったのは日を変えたら多少は改善されたかもしれません。けれど総合的な知的発達の検査はあの方法でしかできなかったと思うし、それに対して何かを言おうとは思いませんでした。たまたま娘が行った小学校は大学附属のリサーチ校で心理学部や教育学部の教授がよくリサーチに来ていたので何か発達に問題がある兆候があればすぐ見つけてくれたでしょうし、心理カウンセラーも常駐していてよく娘を見ていてくれたので安心していられました。これが公立の学校だったら「もう問題ないですよ」と言われてもウチの子のために専属の人を雇うのは予算がもったいないと思っているんじゃないかと疑ってしまったかもしれません。

また日本で検査を受けた友人のように 定期検診で何に数回、しかも数分しか会わない小児科医に「問題があるかも」と言われても、「そんな短時間で何がわかるの」と診断を受け入れられなかったかもしれません。
 
次回になぜアメリカが発達障害の治療薬の開発に多額の予算を投じることにしたかについて私見を書きますが、医療現場と教育現場のはざまに発達障害の子供と親がいるという日本の現在の状況は、当事者には苦しいだろうなと思います。
 
 
 

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