このシリーズは私が27年前にアメリカ ジョージア州の大学院のSpecial Educationの修士コースで学んだ知識と11年前にアメリカ カリフォルニア州で自分の子供が体験したことと 友人や知り合いから聞いた話を基に書いています。どうぞアメリカで子育てをしている一保護者の経験談と外から日本の教育を見ている者の感想としてお読みください。
私に子育ての相談をしてくる親御さんのほとんどは「バイリンガル子育て」について心配されている方です。特にご自身がモノリンガルで親戚にバイリンガル環境で育った方がいないとどうしていいかわからないと悩む方も多いようです。
私自身、自分の子育てに自信があるわけでもなく専門的にデータを示すことはできても子育ては本当に千差万別なので「絶対こうした方がいい」ということは言えません。
ただ多くのお子さんの言語発達、特に二言語同時発達の例を見てきて、早い段階で子供の発達に診断を下してしまうこと、早い段階でその子の将来を決めつけてしまうことはなるべくしないほうがいいというアドバイスはしています。
何度か書いていますが、ママ友のご主人で IQがとても高く10代で大学院を卒業した人がいます。その人は本当に飛び抜けてIQが高く、特に分析能力に長けています。そのお子さんもとても優秀なのですが、ママ友は焦って飛び級したり、早く大学に入れようとはしませんでした。せっかく頭がよくてガツガツ勉強しなくてもいい成績が取れるなら、そんなに先を急いで常に自分の能力より高いものを追い求めなくてもいいと思っているそうです。そのお子さんはお父さんほどIQが高いわけではありませんがそれでも非常にIQが高いです。そういう特殊な人を除いては私の周りには同じくらいのレベルのお子さんが集まっていると思います。
娘が通った小学校はずっと成績が段階式(1-5 A-D)でつけられず、中学に入ってからも段階式(1-5 A-D)ではありませんでした。たしか8年生(今年度)からは段階評価がつくはずですが、おそらく絶対評価になると思います。日本の学校は小学校高学年からはほとんどが相対評価で各段階(1〜5)の人数が決まっています。(もちろん違う学校もあります。)そうなると学級内での僅差で「学力差」が数字になって現れてしまいます。
段階式の成績をつけるためには、数値で表す評価が必要になり、試験がもっとも説明しやすい判断材料となります。私は長年大学で教えていますが、学生は試験の点数で成績が決まる方式を一番好みます。それが一番フェアだと思っている人が多いのが現代社会です。
そして日本よりはるかに人口が多いアメリカでは 変動が少ないIQによって子供のポテンシャル(将来の可能性)を判断するのが最も効率よく子供をふるいにかけられる方法です。もっと人口が少なく非常に細かい差をモニターしながら、子供の中学、高校、そして大学受験の時点でふるいにかけられれば、より優秀な...というか恒久的に学習能力が高い人材を選抜することができます。それが現在の日本です。
日本ではなぜかアメリカの教育制度を模倣しようと言う傾向がありますが、ここ30年くらいのアメリカの早期発達障害の検査や早期の特別支援や療育は、発達が早い人種のスタンダードに基づいていることと、5歳までに療育が必要と診断された場合の教育の機会の保障が日本とアメリカではまったくちがうということも考慮してほしいと思います。その部分を理解しないと、日本もIQによって子供の「学力が伸びる可能性」を数値で出し、本当に微妙な差で人生が変わってしまうような教育をほどこしてしまう危険性があります。
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