このシリーズは私が27年前にアメリカ ジョージア州の大学院のSpecial Educationの修士コースで学んだ知識と11年前にアメリカ カリフォルニア州で自分の子供が体験したことと 友人や知り合いから聞いた話を基に書いています。どうぞアメリカで子育てをしている一保護者の経験談と外から日本の教育を見ている者の感想としてお読みください。
このシリーズの最初に書いたのですが、長い間、日本の義務教育は格差が少なくインクルーシブ教育が充実していました。
日本には盲学校やろう学校が全国にあり、知的障害者が通う特別学級を併設している小中学校や施設が戦前からありました。そういう特別支援を受ける生徒は身体障害者手帳を地方自治体が発給し、18歳以降も福祉の対象となっています。諸外国に比べると日本の小中学校(普通学級)は「特別な配慮が必要な生徒」の受け皿は広かったといえます。近年は療育手帳の発給が多くなっているそうです。
日本で保育園や幼稚園は義務教育ではありませんが、90%以上の子供が義務教育前になんらかの教育を受けています。そのため、本来なら地方自治体や国が責任を持つ「特別な配慮が必要な子」は普通学級に通うことができない重度の障害を持つ子に限られてきました。
そして小学校低学年のカリキュラムは総合教育型でゆるく構成されていて幅広い能力差があっても対応できるようにできています。けれど、日本人の親は少しでも他の子よりも早く上のレベルにいくことを期待して小学校前からお受験をしてさらに小学校のうちから塾へ通わせます。これはアメリカや他の国でもある現象ですが、日本との最も大きい差は、日本は均一した義務教育カリキュラムがあるのに対し他の国の義務教育は日本のように管理がしっかりなされていないという点です。
義務教育中の主な教育費は日本でも諸外国でも学校外活動、つまり習い事や塾です。経済的に余裕があり、少しでもいい教育を受けさせたい、他の人よりも優秀な立場になりたいという場合には学校外の教育にお金を使います。そして放課後(夕方から夜)に子供は学習をさせられることになります。これにより本来なら子供が一番効果的に学習できる時間帯(平日の朝から午後)に集中力がなくなってしまうことがあります。これはアメリカの学校でも言えるのですが、学校外を学習の中心にしてしまうのは問題だと思います。
子供の集中時間、学びに対する意欲の持続時間はとても短いです。特に小学校高学年から中学にかけては一番知的好奇心が高まる時期なのに、脳が活発に動く時期のゴールデンタイムが「起きられない、眠い、ぼーっとしている」時間になってしまうのは本当にもったいないです。
私は、もし世界中が義務教育の現場に満足し、教室を細かい点数を競い合う場にしなければ、子供はもっとハッピーになり、学びも促進されると信じています。国によっては義務教育が充実していないために教育格差が大きいところもありますが、多大な教育費を国家予算から捻出している日本やアメリカのような先進国ではテスト制度の廃止によって教育全体が向上することが期待できます。
このシリーズの最後にどうすれば義務教育中の教育格差をなくしながら全体のレベルをあげていけるかについてお話ししたいと思います。
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