私が今までおこなってきたバイリンガル研究が日本の早期英語教育に貢献できるとすれば「親の意識改革」を促すことかもしれません。その前段階として、今日は「専門書」と「一般書」の違いについて描きます。
 
教育学では「どのような教育が効果的か」を客観的に分析することもしますが、学部(undergraduate)では主に「どうやって教育するか」を学びます。つまりすでに確立された教育法(どうやって教えるか)を学ぶけれど、その教育法がどれだけ効果的かを調べたり、研究したりするのは大学院以降、あるいは教育学部で教えるようになってから政府機関などから委託された時に限られてきます。日本では「バイリンガル教育」は、長いこと政府の関心事項ではなかったので、日本の教育学部で学部生が「バイリンガル教育」を習う際には、ほとんどが海外の文献を翻訳したものが使われているようです。
 
これは日本に限ったことではないのですが、大学の先生の中にもご自身ではデータ収集・分析をせず、他の人が出している論文を自分なりに解釈し引用している方もいます。それがいつのまにか「〇〇大学XX教授」の言葉となって記事になったり、それこそ名前だけ貸して、ある教育法を推薦しているように書かれていることもあります。
 
「子供に英語をマスターさせたい」「バイリンガルにしたい」という方がインターネットでサーチして、クチコミなどを見た場合、前述のように「〇〇大学XX教授」の言葉を引用している記事があれば説得力があって信じることは多いでしょう。私も講演の後、「先生がおっしゃったことを私のブログに書いてもいいですか。」と聞かれたことがあります。聞いてくださる場合は「もし差し支えなければ、載せる前に見せていただけますか。」と言って、間違った解釈をされていなければ喜んで使っていただいています。ただ時々「エゴサ」をすると私の言ったことを全然違う方向で書いている方もいるので、人の解釈ってさまざまだと思わされます。
 
バイリンガル研究をしている先生方の中には「一般書」を書いてほしいと依頼されることがよくあるそうです。日本で「バイリンガル」という言葉は90年代くらいからキャッチーだったので、私も20年くらい前には「本を出しませんか」というお誘いを受けました。その後、自分の研究が「海外での日本語教育」にシフトしたので、最近はどちらかというと「自分の子育てを通して見たバイリンガル習得」と「海外での日本語イマージョン教育を受けている生徒のバイリンガル力」くらいのことしか書けそうにないので遠慮しています。後者の「海外での日本語イマージョン教育を受けている生徒のバイリンガル力」は日本で英語イマージョン教育を受けさせようと思っている親御さんには興味があるテーマかもしれませんが、何せデータの数が小さく一般化できるレベルではありません。
 
つまり何が言いたいかと言うと、現在第一線で「日本語と英語のバイリンガル」を研究している人の数は非常に限られていて、政府や公共機関が予算を使って調査をしていてもほとんどが「日本の中高生の英語力」や「英語圏からの帰国子女の日本語力」などで両言語を測り「バイリンガル度」を示している専門書はほとんどないということです。一般書の中には専門的なことを非常にわかりやすく書いている本もありますが、これもまた数が限られています。
 
日本で「グローバル化」が論じられるようになって20年以上がたとうとしていますが、「バイリンガル研究」が一向に進まないのはどうしてなのだろうといつも考えています。
 
こちらは私が尊敬する中島先生の本です。
 
 

ランキングに参加しています。

クリックしてくださるとうれしいです。

にほんブログ村 子育てブログ バイリンガル育児へ
にほんブログ村