日本語と英語のバイリンガルに必要なバイリンガル力(最後の字はカタカナの「カ」ではなく漢字の「力」(りょく)です)についての記事の第9回です。
今回は、今、研究で明らかにしようとしている「帰国子女や海外子女の日本語が変(不完全)だという先入観がなぜ生まれるのか」について話します。データを取って分析したところまで終わっていて、結果発表をするのは夏以降になると思います。
以前に明らかに見た目が違う(ヨーロッパ系、インド系などの)日本語話者が対面で話をする時と、音声だけを聞いた時に、その人の日本語力の判定に差が出るかという実験をしたことがありました。
その時は「一般の人が人を見た目で判断することは、日本語力の評価に影響するか」を実証したかったのですが、今回は「見た目が同じ大学生数名にモノリンガル日本語話者か、英語と日本語のバイリンガルか」を日本語だけを聞いて判定してもらうという実験結果から、「日本語が不完全だとか変だ」と判定される話者は実はモノリンガル日本語話者だったということについて分析してみました。
日本は小さい国で人口も少ない方ですが、方言が各地にあり、「母語話者」の話し方にはかなりの差があります。ちょっと聞いて「方言使用者」だとわかる話し方もあるのですが、大学生くらいの人の話し方には 独特のアクセントがある人や不思議な抑揚があったりする人もいます。
大学生同士、その話し方が「標準」だと思うのか「変」あるいは「ネイティブっぽくない」と感じるのかは、それぞれ判定に差があるのは当然なのですが、バイリンガル帰国子女や海外子女の日本語にそれほど顕著な特徴がないと、どちらがバイリンガルかは判定しにくいようです。
よく帰国子女や海外子女が日本で「あなたの日本語変だよ。」と言われて傷ついたという話を聞きますが「日本語が変」な人はモノリンガルの人にも多くいるということを知ってほしいと思います。
どれだけ自信を持って両言語を実生活で使えるか。この「自信」というのもバイリンガルの大きい力だと思います。