ある人の外国語の能力を測定するために 口頭試験ってよくありますよね。

私はアメリカ人の日本語能力を測る試験官を20年以上しています。

 

これは特別な試験の方式で、一見 普通に話しているように思わせておいて、様々な方法でレベルチェックをして判定していきます。

 

ある程度の日本語ができる人には、抽象的なことを説明してもらって、その事象を知らない人がどれだけ理解できるかを調べます。そのためには、自分が知っていることをあたかも知らないふりをして、説明してもらわなくてはいけません。本当に知らないことを聞いてしまうと、その情報が合っているかどうかがわからないのと説明に使われている語彙が正しいかどうかが判断しにくくなります。

 

それで試験をしながら「〜は、、、、」のように相手が話始めると「〜って何ですか。説明してください。」と言ってさらにくわしく供述してもらいます。

 

試験管が慣れていればいるほど、この「知らないふりして情報を引き出し、説明させる」のが上手です。私はもともと割とこういうちょっと演技力が必要とされることは得意な方で、試験の時におこなうロールプレイも上手だと言われたのですが、時々本当に知らないのか?とバカにされることもあります。

 

忘れもしない2000年のアメリカ大統領選挙。この年、私はハーバード大学で日本語を教えていました。

それで、自分の学生を相手にこの日本語口頭試験をおこないました。

 

選挙で話題になる選挙人団(electoral college)のシステム。ハーバード大学の日本語のクラスには政治関係、アジア研究、ビジネススクールの学生などもいて、選挙の仕組みについて日本語で説明する練習もしました。

 

学生が選挙について話を始めたので

 

エレクトラルカレッジって何ですか。説明してください。

 

と言ったら

 

センキョニンダンのことですよ。知らないんですか。

 

と言われてしまいました。

 

さらに追い討ちをかけるように「図書館に『アメリカ大統領選挙』について説明した日本語の本もありますよ。」と言われ、結局、レベル判定のために説明をさせたかったのに失敗してしまいました。

 

 

その頃は、まだ私も若かったのでカチンときたのですが、今、自分の子供と年が近い自分の学生に同じことを言われたら

 

日本語で読んでも、英語で読んでもわかりにくいから、ぜひ説明してください。

 

と笑顔で言って、きちんとレベル判定ができるのにな〜と思います。

 

でも本当にいまだによく理解できないこの「勝者総取り制度」

きっと何語で説明されても一生わからない気がします。

 

 

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