私はアメリカの大学院に留学が決まった年の春休みに、ハワイで日本人小学生ツアーの仕事をしたことがあります。
この時、私は自宅で子供英語教室を開いていて、生徒さんが40名くらいいました。当時は言語教育のことをよく知らなかったので「直接法」を使って英語だけで子供を教えていました。
私が5月に実家に戻り、6月からジョージア州に行くことが決まったので、4月からの新学年度はもう教室をクローズすることを保護者の方に伝えました。
「これから新しい教室を探さなくちゃ」と保護者の方にはいろいろアドバイスを求められました。
ほんの思いつきで「アメリカに行ったら、ホームステイの仕事をしたいと思っているので、ご案内しますから1度くらいはアメリカに来てください。」と言ったところ、ほとんどの保護者の方がとても興味を持ってくれました。
そこで「じゃあ、最初はこの春休みにみんなでハワイに行っちゃいます〜?」とノリで言ったところ3家族が「先生が連れて行ってくださるなら、安心だからぜひ。」と言われました。その前年にホームステイの引率をした大手旅行会社に問い合わせてみると、基本的には小学生のツアーはその会社の正社員が添乗するとのこと、春休みは短いので1週間のツアーしかない、ということでした。
それとは別に添乗員はいないけど現地コーディネーターがお世話するというツアーもありました。
どちらのツアーも私が引率できるわけではなく、私が連れて行くのでなければ興味を持ってくれた家族の方も参加しないだろうと思って一度はあきらめました。個人旅行で連れて行くと病気になっちゃったり事故にあったりしたら責任取れないし...と考えていたら、旅行会社の人から「現地コーディネーター兼英語の先生がいなくて困っているので、その仕事をしてもらえないか。」と言われました。
ワタシ、ハワイに住んでいないし、ネイティブスピーカーでもありませんけど...
ハワイには日系人も多いし、1週間ずっと英語で子供に接することができれば大丈夫とのことだったんですが、これってかなりグレーですよね...まあパンフレットのどこにも「ネイティブスピーカーによる英語の授業」とは書いてはありませんでしたが、なぜにハワイにまで行って日本人の先生に英語を習うのかと思う人はいっぱいいると思います。
でもハワイに行けるのは魅力的だし、前に住んでいたから土地勘もあるし、いいかな、と思い安易に引き受けてしまいました。
私の英語教室に通っていた小学生には「ハワイに着いたら、先生がいるから大丈夫よ。先生はいつも通り、みんなに英語で話すからね。」と言ってツアー参加をすすめたところ、2人の子が参加してくれました。
10人くらいの小学生でほとんどが女の子でした。男の子は2人だけでしかも小6(卒業後)の春休みだったので、とてもしっかりしていて頼もしかったです。そして日本からの添乗員さんはプロ中のプロという感じで慣れていたし、ハワイは日本語も通じるから子供たちも安心して買い物などができました。
その時の私の名前は「アイリーン」
もともと私が教えていた英語教室では、生徒も先生も英語のニックネームを使っていたので別に違和感なくその名前を使っていたのですが、小さい子供が緊張しながら英語で話しかけてくれるのを見ると、ちょっと心が痛みました。
その後、何回かハワイを訪れたのですが、ハワイの特に観光地にいる人はみんな日本語が上手で、こちらが英語で話しかけても日本語で答えてきたりします。私はついつい先生目線で「日本語上手ですね〜。どこで勉強したんですか。」と聞いたりしますが、ハワイ大学で私の知り合いの先生の学生さんだったりして、嬉しくなりました。
こんなことなら「日本語わからないふりしなくてもよかったのかな。」と思いつつ、「英語で話し続けたアイリーン先生」は私の黒歴史の1つです。
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