私は州立大学に勤めているので、学生の大半はカリフォルニア州で教育を受けてきた学生ですが私のクラスを取る学生はアジアからの留学生がとても多いです。そのため、学生に自分が今まで受けてきた教育について聞くとあまりにも差がありすぎて、全然共通点が見つけられません。ただ一つ、どんな環境でどのような教育を受けてきても私の勤務校に来る学生は常に「上位数%」の位置にいたエリートたちです。

 

だから私が知りうる「アメリカの教育事情」はかなり偏っていると思います。

それでもいくつかの州で様々な学校にリサーチで行っているうちに何となくではありますが「アメリカの初等・中等教育」の仕組みや問題点がわかってきました。

 

カリフォルニア州の大都市というと、サンフランシスコとロサンゼルスが頭に浮かびます。私は20年くらい前に「日本語を話す人口が多い地域」をリサーチ対象に検索して、サンフランシスコを選びました。当時(今は形式が変わりましたが)サンフランシスコに日本語と英語のバイリンガルプログラムがあったからです。

ボストンに住んでいて勝手がわからず、同時はAirbnbなどもなかったので、サンフランシスコのど真ん中の家具付きアパート(ホテルのようなところ)に滞在して、毎日地下鉄で学校に通いました。リサーチグラント(研究助成金)があったので、このような場所に住めたのですが、サンフランシスコ内は家賃が高いそうで、先生たちはみんな別の地域から通勤していました。

 

サンフランシスコ学校区は意外と小さく昨年度のデータでは学生数(小、中、高)は6万人程度です。それに対して全米で2番目に学生数が多くカリフォルニアで最も大きいロサンゼルス学校区は60万人と10倍の人数がいます。ちなみに学生数がカリフォルニア州で2番目に多いのはサンディエゴ学校区ですが、1番多いロサンゼルス学校区の5分の1です。

これまでに何回か書いていますが、ロサンゼルス学校区(LAUSD)には、ロサンゼルス近郊の日本人が多いトーランス やパロスバーデスの学校は含まれていません。

 

サンフランシスコは街中に住んでいる家族は意外と少なく、サンフランシスコで仕事をしていても家族がいると、郊外に住むことが多いため、サンフランシスコの学校に通っている児童・生徒の中には、アジアからの短期滞在者や不定住居者(ホームレス)なども一定数います。サンフランシスコ学校区は学生数の割には連邦政府や州の援助額が大きい方だと言えます。これは英語が母語でないアジアからの短期滞在者やランチプログラムに申し込まなくてはいけない低所得者層の家庭の子供の比率が高いからです。

私が20年ほど前にリサーチでお世話になった小学校は今も日本語のプログラムがあり、日本語が母語の生徒も通っています。わざわざこの学校に通いたいためにサンフランシスコ学校区に家を探したという人もいましたが、現在、全米で最も人数が多いサンフランシスコ日本語補習校に通う子供の大半はサンフランシスコ近郊の別の学校区に通っているとのことでした。

 

ロサンゼルスはロサンゼルス学校区(LAUSD)か、近隣の独立学校区かによって状況がまったく違ってきます。またロサンゼルス学校区(LAUSD)内でも地域によって街の雰囲気や学校の様子も全然違います。そしてロサンゼルス学校区(LAUSD)内での学校選びと選択肢はアメリカの他の地区と違って非常にユニークだと思いました。

 

最近、日本人の方のブログやSNSで紹介されているSystematic Racism Explained というビデオでは居住区(学校区)によって受けられる教育に差があり、その差はそこに住んでいる人が払う固定資産税によって変わってくることを説明しています。この説明はある意味、正しいのですが、ロサンゼルス学校区(LAUSD)に限って言うともっと複雑です。

 

次回は同じ年収で、ロサンゼルス近隣の独立学校区とロサンゼルスの学校区で同じ金額の家賃を払ってアパートを借りた場合、子供が受けられる教育の違いについて、個人的な経験をもとに話してみたいと思います。

 

 

 

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