世界各地で、リモートラーニングが始まって数ヶ月。
慣れないZoomを使っての授業に先生も生徒も大混乱の毎日だったことでしょう。
私はと言えば、ある一つのクラスは言語のクラスだと言うのに95人もの学生を一度に教えるとんでもない状態でした。
もともとこのクラスは、週に2回大講堂で学生が文法の説明などを聞いて、翌日小クラスに分かれてTAと呼ばれる助手が練習をさせるという形態ですが、大講堂でのクラスでも一斉に口頭練習をしたり、ペアで練習させたり、誰かを当てて答えを言わせたりしていました。
それをZoomでやると、どういうことになるかと言うと
ハウる (ハウリングを起こす)
それでみんなのマイクをMuteしなくてはいけなくて、さらに顔を出してもらうと25人以上が一斉にカメラをオンにすると
切れる(シャットダウンする)
で、ホストである私がミーティングルームを去ってしまうと、だれも動けなくなってしまう などのトラブルが起こりました。
それで毎回、学生の一人を「共同ホスト」に指名して「私に何かがあったら、そのまま授業を続けていて、もどってきたらルームに入れて」とお願いするようになりました。
指名を受けた学生は「今日のホストの〜〜です。ご指名 ありがとうございます。」と言うようになりました。これをちょっとカタコトの日本語で言うので、私はいつも笑いをこらえるのに必死でした。
トラブルを回避するために学生はいつもマイクとカメラをオフにしていました。練習も各自でさせて、当てて答えを言わせる時もとの学生だけがマイクをオンにする状態でした。
最後にみんなの顔を見てZOOMで写真を撮りたいと思って、今日は少人数にわかれるTAのクラスに行きました。
ここでは1クラス20人くらいなので、全員がカメラをオンにしてもなんとか大丈夫です。
そこでクラスの最初に行って、期末試験のアナウンスをして、プロジェクトの優秀者に賞状をあげて、15分ほどで退出しました。
自分のクラスでは学生がZOOMを去っていって、いつも私が真っ黒になった画面を確認して End Meetingのボタンを押していました。
今日は、学生に「さようなら」と手を振って、私が最初にルームを退出しました。
そのあとに残るなんとも言えない寂しさ。いつもなら、最後のクラスは日本の食べ物を食べて簡単なパーティをして最後に記念撮影をします。
そういうことができないだけで、こんなに虚しい気持ちになるなら、4年間、またはそれ以上がんばって卒業する学生たちがバーチャルの卒業式ではどんな気持ちになるのでしょう。
それにしても学生たちの強い精神力、柔軟性、ブレない上昇志向には本当に感動しました。
こんなに不確かな環境の中で、いつもと変わらず出席して、テストや課題をこなして最後にはとびきりの笑顔でZOOMの画面に登場してくれました。
12:30から始まるクラスに12:32には80人以上の学生がZOOMに入ってくるのを見て、いつも胸が熱くなりました。
いつかリアルに再会できるのかな。
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