今年も日本への一時帰国を終えて、アメリカに帰ってくると、娘の成長を感じます。
今までは、小学校で体験入学をしたので、いわゆる「生活語彙」がぐっと増えたのを感じました。
学校で習ってきた語彙の中で、一番気になったのが、自分の呼び方=一人称。
それまでは「名前+ちゃん」だったのですが、2年生で体験入学を始めるとすぐに「うち」という言い方を習ってきました。
この画像は、こちらのサイトから引用しています。
娘が通った小学校は長野県でしたが、先日、神奈川県の友人宅で、小学生のお子さんが使っているのを聞きました。お母さんはこの「うち」の使い方が気になっていやだと言っていました。
私の場合、どの地方、年代で使われているかにはあまり興味がありませんでしたが、英語ではすべて" I, my, me, mine"で片付いてしまう一人称を、バイリンガルの子がどのように使い分けるかに興味がありました。
現在、アメリカに住む日本語を話す子供の言語調査をしていると、日本語がうまければうまいほど、一人称(私や僕)を文中に入れない つまり言語学で言うところの「zero pronoun」の現象が見られました。
日本語では、主語(代名詞)を使わず話ができるので、自然と「私は〜、あなたは〜」を使わず会話をしています。
英語からの転移が多い、日本語がまだ十分ではなく、英語(母語)から訳して話している段階では、やたら「私は〜 あなたは〜」を使いたがります。
時々、日本語を話すアメリカの子供に「あなたはどこから来ましたか。」のように聞かれて、変な気分になることがありますが、これは英語では普通にいう Where are you from?を訳しているからです。
今のところ、我が子は 人と話すとき「あなた」を使うことはありませんが、自分のことを話すとき「うち」を使うのは、学校や家庭では教えなくても、自然と覚えた語彙であり、自然と使えているのは、同年代の日本語話者と触れ合えたおかげです。
ちなみに、我が子がアメリカの小学校に入ってすぐに多用し始めた表現は
You are not my teacher!
ちょっといばっている子が、上から目線で他の子に何かを支持すると「あんたは、私の先生じゃないでしょ。」と言う言い回しです。これも高学年になると言いませんが、低学年のころは、しょっちゅう耳にした言葉でした。
日本語で言うときは、なんて言うんだろう....そんなやりとりもなかったのかもしれませんが。
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