私は日本でも学習塾でバイトをしたり、英語を教えたりしていたのですが、日本の教育学部で学んだことはありませんん。

祖父も母も教師だったし、親戚に教員が多いのですが、日本にいた時「教育法」を学んだことがないので、正直、日本から来た先生方と話すとなんとなく教育理念とか方法が噛み合わないことがあります。

 

その一つによく日本の先生が言う「指名計画」

 

最初に聞いた時「うん? 指名手配? 違う 指名する子を計画的に決めておくことかな、まさか。」と思いました。

その「まさか」で、特に参観日などでは教師側が「期待する答えを出してくれる子」に当たりをつけておいて、その子に発言させると言うものでした。

 

そもそもアメリカの先生は、そんなに綿密に授業計画も立てないと思うのですが、毎日の雰囲気で「よくできる子」は把握していると思います。よく手伝ってくれる親の子供やたくさん寄付している親の子供は、参観授業で目立つことをさせてもらえたりすることはあっても「いかにも授業がよくわかってスムーズに進んでいることを見せるために、上手に答えられそうな子供に質問を投げかける」というのは、アメリカの教育実習では推奨されていないと思います。

 

私がその「指名計画」という言葉を最初に聞いたのは、日本人のための補習校で教え始めた7年前でした。

日本から来ていた指導教員の先生がしきりに使っていた言葉なのですが、他の先生もフツーに聞いていたところを見るとよくある手法なのでしょう。

 

実は、先生のその「計画」をぶっ壊してしまったのは、我が子が3年生の時でした。

相変わらず、補習校のクラスでは一番幼く、特に算数が苦手だった我が子は、2年生の時の九九の発表も頑なにやらなかったし、あまり人前で発表しませんでした。

 

我が子の補習校の3年生の先生は、日本から来たばかりの若い男の先生でした。

さわやかな感じで子供たちは「イケメン先生」と呼んでいました。

 

その先生の授業参観日。国語は「自分が興味があることを発表しよう」算数は「わり算を習おう」でした。

娘は、当時流行っていた「8.6秒バズーカ」の「ラッスンゴレライ」にハマっていて、そのことについて作文を書き、発表したいと言っていました。20人近くいる中で、娘がその発表をするためには、先生が誰かを指名する前に手をあげて「私が発表したい」と言わなくてはいけません。

そんなことが、我が子にできるのか。しかも20人近くの大人も見ている中で。

 

そして参観日当日。我が子は最初から飛ばしていました。

先生の話など、あまり聞かず、先生が「ではこれから発表してもらいます。」というや否や「はい!」と手を挙げ、びっくりした先生が「XXさん、質問ですか?」と聞くと「私が発表したいです。」とハッキリ言いました。

 

これが娘のターニングポイントだったように思います。

この日から、娘は補習校でも元気に手をあげて発言するようになったそうです。

 

この授業ですが、娘がやたら時間を取って「ラッスンゴレライ」の説明をするので先生はかなり計画が狂ったと思います。さらに娘は担任の先生に「一緒にやって」と頼んでいました。他の子供も大喜びです。先生は恥ずかしそうに1フレーズだけやってくれました。

娘の次に(おそらく計画どおりの)よくできる子が指名されて発表していましたが、それは他にやりたいと手をあげる子がいなかったからで、娘に触発されて、他の子もやりたがったら、先生はもっと困ったかもしれません。

 

 

 

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