おととい、日本から来た高校生に私がアメリカに来た理由や、アメリカで研究していることについて、お話する機会がありました。
とても真面目で優秀な高校生の集まりという感じで、時差ボケと疲れで眠いだろうに、熱心に質問もしてくれて楽しい時間を過ごせました。
大学進学についての質問では「日本とアメリカの大学の違い」や「大学の選び方」についての質問がありましたが、私個人の意見では、大学は日本で、大学院は奨学金をもらってアメリカで、というのがいいんじゃないかと答えました。
キャリアについての質問も多かったのですが、全員「男子」ということもあり、私の経験はあまり参考にならないかもしれないと思いました。
「なぜ、有名大学で働くようになったのか。」
という質問ですが、最初に超有名大学で働けたのは、私がボストンに住んでいて、その大学の先生方をよく知っていたからだと思います。
けれど、その仕事は 私の学位には合わないもので「〜さん(私)は overqualified だから 他の仕事を探した方がいい」と働き始めた時から言われ続けました。
その後、自分の専門が活かせ、研究もしやすい今の職場に応募して採用されたのですが、それからもいろいろな意味でやりにくさを感じることはあります。
それを「ガラスの天井(glass ceiling)」と呼ぶことがありますが、私のやりにくさは、私が女性であるから、社会的マイノリティであるからなのか、自分自身の力量なのかはわかりません。
日本人女性でもアメリカの大学で成功をおさめている人はたくさんいます。でも、もし同じ才能と努力なら男性(特にアメリカ人の白人)の方が早く出世したかも、と思うことはよくあります。
おとといの高校生との話の最後に、一人の男子高校生が「アメリカは女の人でも男と同等に働けるって本当なんですね。」とコメントしてくれました。「同等に働ける」が何を意味するのかはわかりませんが、私がみんなの前で話したことでアメリカに対して「女性も活躍できる場」だと思ってくれたのなら、それはよかったです。
それでも帰り道、なんとなく「ガラスの天井(glass ceiling)」という言葉を思い出しながら、いつか本当にそんな概念すらなくなる世の中で、我が子(娘)が活躍できるようになったらいいなと思いました。
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