日本に一時帰国して、早1ヶ月。これまでいろいろな学会や大学で研究発表をしたり、意見交換をしてきました。

そこで、よく聞くキーワードの1つが

 

CEFR (Common European Framework of References for Languages)

 

つまり、外国語の習得状況を示す枠組み(レベル表示)ですが、なぜ日本の外国語教育では、CEFRを使うのでしょうか。

アメリカにはACTFL (The American Council on the Teaching of Foreign Languages)と言う協会があり、そこがすべての外国語の習得レベルの指標を出しているので、CEFRが使われることは、ほとんどありません。

ACTFL proficiency guidelineとCEFRのレベルは、対応表が出ているので、ACTFLのレベルが頭にこびりついている私は、CEFRをベースにした言語能力の話をする時、その対応表を見ながら話を進めています。

 

アメリカで「外国語」と言うと、英語以外の言語を指すわけで、もちろんACTFLの熟達度の指標は、英語学習者にも応用できるのですが、CEFRの場合、英語を母語としない国々で、英語を外国語(または第二言語)として、学習する人の数が多いため、日本のように「外国語=英語」がほとんどの場合、CEFRの枠組みの方が、より正確に英語の熟達度が測れると思われているのかもしれません。

 

あるインターネットサイトで、新しい指導要領では、小学校から英語を教え、高校卒業時に5000語程度の語彙を習得し、CEFRのA2からB1(の入り口)レベルに達することを目標とする という図を見ました。これは英検2級合格レベルだそうです。

そして 大学で さらに英語を学習し、大学卒業時には、英検準1級合格、CEFRのB2レベルに達すれば、英語での実務が可能になるとされていました。


この習得到達度が可能かどうかですが、私は十分可能だと思います。ただ、教える側と習う側の両方が、CEFRの指標をよ〜く理解して、どうすれば、各々のレベルに達するのか、つまり言語習得についてもっと理解を深めないと、現状のような「資格試験対策」に傾倒した英語教育から、抜け出せなくなってしまいます。

 

これから、数年後、「私はCEFRのB2です。」とか「あなたは、まだA2ね。」と言う会話が言語教育の場で使われるようになるのかもしれませんが、AとかBとか、1級とか2級とかではなく「私はXX語で、〜ができます。」と言えるような学習者を育ててあげられたら、と思います。

 

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