前回、「第二言語習得の学会がこわかった」と書きましたが、それは20年も前のことだったので、今だったら「ふ〜ん」とスルーするか、思い切り反論できるようなことだったかもしれません。

以前から何回か書いていますが、アメリカのバイリンガル教育は主に教育制度や政治的背景にフォーカスを当てた研究が多いのに対し、第二言語習得は90年代から「認知論」「脳科学」の分野が入り込んできたのですが、研究方法そのものに問題がある研究発表も多く 導かれた結論に妥当性がないものが批判の対象となっていたようでした。

先週末、出席した学会で「批判的にものごとを考える能力」というのは「他者を批判するのではなく自己の考えが絶対正しいと信じ込まず、批判的に内省することだ」と言っていた学者の方がいました。確かに本当にクリティカルに思考できる人というのは、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、他の視点や考えも考慮することができると思います。

そういう意味では、学会に参加したり、論文を書いて批評を受けることはとても大切なことなのですが、概して「先生」と呼ばれる人は、他人(自分の学生)を評価することには慣れていても自分が評価されることを嫌う傾向があります。

そのせいかどうかはわかりませんが、先生が集まる「教授法」や「教育法」の学会やワークショップでは、厳しく批判し合うことが少ないようです。

特に、日本人が多い学会や日本で行われる学会では、激しい討論というのは稀ですが、だからと言って「ぬるま湯」に浸かってしまっていては発展もありません。

そう言えば、私が尊敬するスタンフォード大学のKenji Hakuta先生がスタンフォード大学の卒業式の演説で「教育を目指している人はいい人が多い。」と語っていました。

それが真実かどうかはわかりませんが、私にとっては「言語習得」の学会よりも「教育学」の学会の方が居心地がいいことは確かです。

 

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