日本の小中高では、卒業の年に「卒業アルバム」をもらいましたが、アメリカの小学校では、毎年 Year Bookと呼ばれるアルバムが在校生全員に配られます。有料なので、家族で1冊とか 買わない人もいますが、だいたい学年最後の日にクラスのみんながそのアルバムにサインをし合うので、ほとんどの子が1冊ずつ買っています。

 

 

たいていの学校では、Year Bookに その年の卒業生が Year of 2018のように卒業年度が書かれて、特別なページが与えられます。

 

だいたい、赤ちゃんの時の写真を載せて Who's Whoとか

自分のお気に入りの写真に一言書き添えるとか

 

そして、各クラスの集合写真と、全校生徒のひとりひとりの写真がのっています。

 

各クラスは見開き1ページか数ページの割り当てがあって、そこに1年間の様々な行事の写真を載せるわけですが、これがけっこう問題になることがあります。

 

卒業アルバム (Year Book)を見たら、自分が友達と写っているスナップ写真が一枚もなかった...

友達は、みんな笑ってかわいく写っているのに、自分の写真はブサイクだった...

 

アルバム作りは、小学校だと保護者のボランティアが作成委員になり、中高になると「アルバム委員」のような生徒主体のグループが編集するところがほとんどです。毎年、どこの学校でも必ずと言っていいほど、アルバムを見て文句を言ってくる親がいるそうです。

 

私の子供が全然 写っていないじゃないの!

私の子供がアップになっていないじゃないの!

私の子供の かわいい写真がないじゃないの!

 

たしかに娘の保育園のアルバムを見た時、「いや〜 この写真を載せられたら、一生恥ずかしいわ」という写真も載っていたりして、親御さんの気持ちはよ〜くわかります。

 

クレイマーが多い(であろう)我が子が通う小学校には、「神対応」のアルバム委員のママさんがいて、彼女は7年間、Year Bookをとりしきっていました。

 

そのママは、私が勤務する大学のエンジニアリングのスター教授です。若くしてトップに登りつめた人ですが、とても穏やかで とにかく頭がキレるという印象のアジア系アメリカ人。

 

彼女は、クラスのアルバム委員に以下のことを徹底させています。

 

  • 各クラスの使える写真の数は決まっているので、クラス全員が載るためには、各写真に最低3人は写っていること。
  • 男の子だけ 女の子だけの写真は使わない(仲良し同士の写真にすると、一緒に入れなかった子が傷つく)
  • それぞれの子のカメラ目線の写真が1回、自然なショットが1回入っているのが理想。
  • 一枚の写真に全員を入れる場合(集合写真) ひとりの子の顔のサイズが最低でも half inchであること(そうじゃないと誰が誰だかわからない)
  • 写真を集めたら、エクセルシートにそれぞれの子が何回写っているかTally sheet をつけて、一枚も写っていない子が絶対にいないようにする
このルールを初めて見た時、こんな詳細な決まりを守れる親なんて(アメリカ人に)いるの??? というのが私の率直な感想でしたが、これができる人はクラス代表の「アルバム委員」になれるため、数々のイベントでいい席をもらえ、日本の運動会や学芸会のように場所取りをしなくていいのと、自分の子供のベストショットを入れる権利が与えられます。
 
そして、頭キレキレの「神対応」のママのおかげで、みんなアルバムを見た時、ハッピーになるし、アルバム委員の人が集めた素晴らしい写真の数々は、クラスごとの学年末イベントでスライドショーで流して見ることができ、写真を撮った親はみんなに感謝され、とてもうまくいっています。
 
この神対応のママの子供が今年、卒業してしまうため、来年はどうなることやらですが、なんとかこのレベルを保ってくれたらな〜と他力本願で願っています。
 

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