最近、いろいろな事情で、日本やアメリカでの「スピーチコンテスト」の参加資格、募集要項などを調べています。
アメリカ国内での「日本語スピーチコンテスト」では、親(両親または片方の親)が日本語母語話者だったり、日本語で授業をおこなう学校(日本の小、中、高校や全日制の日本語学校)に数年以上 通った経験がある人には参加資格が与えられません。もちろん「補習校」の中での「弁論大会」や、学校内のコンテストには参加できますが、州のコンテストや全国大会では「親が母語話者の場合は、参加不可」と書かれています。
日本での「英語スピーチコンテスト」では、英語圏に住んだことがあるとか、インターナショナルスクールに通っているとか、親(両親または片方の親)や同居する親族が英語母語話者や英語圏出身者がいると参加資格がないようです。
これは他の言語でもそうなのか興味があり、調べてみました。
アメリカ国内ではいろいろな言語のクラスがありますが「スピーチコンテスト」よりは「ディベート」とか「ビデオ作品コンテスト」などの方が多いようです。けれど「親の母語がXX語(そのコンテストの対象となる言語)の場合は、参加できません。」というような項目は見つけられませんでした。
同僚の中国語、韓国語、フランス語、イタリア語を教えている先生に「子供でも大人でもスピーチコンテストのようなものを教えている言語でやっているか、応募資格はどうなっているか。」を聞いてみました。
中国語は、日本語と同じようなコンテストをアメリカに住む小学生や中高生向けにやっている地区や州もあるようです。たいていは移民の子供(親が中国語話者)が優勝するようですが、特にそれは問題ではないようです。韓国語も「韓国語学校」や韓国人が多い小学校で、韓国語も教えている場合、スキット(寸劇)のコンテストなどをやっているようですが「親が韓国語を話すから、あなたはコンテストに出ちゃダメ。」と言うのは聞いたことない、と同僚は言っていました。
もちろん、子供の頃から家で話していて、母語話者と変わらないように上手に話せる人と、まだその言語を勉強し始めて数年の人がコンテストで競い合えば、子供の頃から話していた人の方が勝つのは当然でしょうが、こういう子供達は、幼い頃からその言語を一生懸命学んで、バイリンガルになったのだから、賞を取るべきで、「上手な人は出てはいけない」というルールのもとで、行われるコンテストにどれだけの意味があるのだろうと思います。
特に、片方の親が日本語母語話者で、もう片方の親が英語母語話者だったら、その子供は日本でもアメリカでも「日本語スピーチコンテスト」にも「英語スピーチコンテスト」にも出られないことになります。
グローバル社会と言うのなら、「バイリンガル」「マルティリンガル」のスピーチコンテストをおこなって、努力して二言語を習得した人をもっと讃えてほしいな〜...と思います。
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