あっという間に5月になってしまいました。
日本は、ゴールデンウィークですね。
2月中旬から4月中旬まで、ブログをお休みして、自分の専門の論文を書いたり、学会発表をしていました。
その一つが私が勤務する大学でおこなわれたHeritage/Community Languageの学会です。日本からも何人かの先生方が発表にいらっしゃいました。他の言語に比べると、日本語の継承語を研究している人の数は少数ですが、日本国内の「継承語研究会」は、この夏から「継承語学会」になり、今後 一層活発な研究が進むことが期待される分野です。
英語のheritage language を「継承語」という日本語に最初に訳したのは、トロント大学名誉教授の中島和子先生です。それまではheritageを直訳して「遺産言語」と呼ばれることもありました。
継承語話者の定義は様々ですが、一般的には、「自分が住む社会(国)で使用されている主要言語とは異なる言語を親や家族から継承していて、その言語や文化にある程度の知識を持つ人」とされています。つまり、日本からアメリカに移住した親から生まれた子供が、主要言語(英語)とは異なる日本語を家庭で習ったり、親が話している日本語を聞いて育った場合、その子供達は「日本語継承語話者」であると言えます。
アメリカに住む日本語継承語話者の中には、英語で教育を受ける学校に通い始めるまでは、日本語だけを習った子供もいるし、親が日本語母語話者でもほとんど日本語を習わずに育って行く子供もいます。
どの言語でも同様ですが、様々な言語・文化背景を持つ話者を「継承語話者」と一括りにすることは不可能で、個々の言語能力や認知能力、家庭環境や性格や言語学習意欲などあらゆる因子を考慮して、言語学習のゴールを定めていかなくてはいけません。
前にも何度か書いていますが、日本語と英語は言語そのものがとても離れている(言語距離が大きい)言語同士なので、この2つの言語を使いこなせるバイリンガルになるということは、言語距離が近い2つの言語(スペイン語とポルトガル語など)のバイリンガルになるより難しいと言われています。
けれど、困難を克服して、日本語と英語のバイリンガルになった人を数多く見ている私は、このような学会で、日英バイリンガル継承話者の成功例を発表できることが何よりも光栄に思います。
それが、自分自身や自分の子供には不可能だったとしても、成功者と出会え、そのデータを共有できることが、日本語・英語バイリンガル育成を促進できると信じているからです。
次回から数回に分けて、私がリサーチで出会ったアメリカ(主に南カリフォルニア)に住む「日本語継承語話者」のバイリンガル能力についてご紹介したいと思います。
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