無残!散弾銃で撃たれた猟犬 | カルップの☆peekaboo☆

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犬達と共に・・・

動物たちのことで みな様にたくさんの事を学ばせていただいています。

今レイと出会い「猟犬」について少し学んでいます。
いろんな書物も読み 知らずに来てしまっていたことも多く
驚くことも 少なくありません。。。

やはりここでも 犬達が物のようにあつかわれている現実
こういった現実が 今もなお全国で続いていることをご存知ですか。あらためてシェアします!
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地球生物会議アライブより
信用できない、ハンターたちのモラル

H.N(茨城県動物愛護推進員)

ALIVE No..68 2006.5-6 


今年2月初旬、茨城県南部のT市で、1匹のセッターが保護され犬猫保護ボランティアに引き渡された。
極度に衰弱したその犬は、まるで救いを求めるように国道沿いの建築会社の敷地で力尽き倒れていた。

痩せた体と近隣住民の目撃情報、排泄物から陶器の破片やゴミばかりが出てきたことから、この地域を徘徊していた様子が覗える。保護される猟犬たちがそうであるように、この犬もまた、藪や林を駆け抜ける際につくものなのか、体の表面に細かな傷が見られた。
 保護当時、自力で立ち上がることも困難だったこの犬は、「タミー」と名付けられ、ボランティアスタッフのケアのもと日々回復し、元気に走り回るまでになった。この間、茨城県へ逸走犬の保護届けを出したが、飼い主と名乗り出る者はなかった。首輪もなく、飼い主を特定するものは何もない。
 体力の回復を待って去勢手術が行われたが、獣医師から驚くべき事実を告げられた。摘出された睾丸に散弾のようなものが発見されたのだ。レントゲン撮影をして獣医師はさらに仰天した。下半身部分に集中して星のように散弾銃が撃ちこまれていたからだ。その数100以上。

今、普通の生活を送っていることが不思議なくらいだ。しかも毒性が問題化している鉛弾の可能性が高い。後日、血中の鉛濃度を測定し、しかるべき治療に入ることになった。「体の負担を考慮しながらできる限り摘出していく」と獣医師。全てを摘出するのは難しいだろう。手術は数回に分けて行われる。


■動物虐待そして遺棄

 確認された弾の位置から、背後から引き金を引かれただろう事は容易に想像できる。誤射なのか。別団体の専門家(ハンター)2人に聞いてみると「行動を共にする犬に散弾が当たるなんてありえない」と口を揃える。「余程のヘタクソか、ルールを守れない者の仕業」とのこと。仲間同士の事故防止のため、散弾銃は水平より上に向けて撃たなくてはいけない、というルールがあるのだ。犬はさらに低い位置にいる。故意に撃ったのであれば動物虐待だ。しかも散弾を浴び負傷した犬を置き去りにしたのは、遺棄にあたる。動物虐待と遺棄の疑いで保護ボランティアグループは告発の準備をしている。容疑者は17年度茨城に狩猟登録を行った一人だ・。

この事件はテレビでも報じられた。(2006.6.20 日本テレビ)

国会でも取り上げられ、環境省は銃刀法違反および動物愛護法違反だとの見解を示した(2006.5.30 衆議院環境委員会、鳥獣保護法改正質疑)


■捨てられる猟犬たち

 この地域に限らず、狩猟期間終盤になると、県内各地で遺棄されたと思われる猟犬が多く発見され、保護ボランティアも頭を抱える。県の捕獲情報にもセッター、ポインター等の犬種が並ぶ。イノシシ猟が行われる県北山間地域や筑波山周辺では、甲斐犬による咬傷事故も報告されているらしい。17年度は、農作物被害対策として、イノシシ猟が1ヶ月猟期が延長されたが、人の安全や猟犬遺棄に対する対策は何も行われない。少なくとも、猟犬こそ、早急にマイクロチップを義務化すべきと思う。

■モラルのないハンターたち

 渡り鳥の飛来期にぴたりと重ねられた狩猟期間。茨城県は全国でもガン・カモの観察数が多く、17年度の越冬期調査では26種10万羽以上の飛来が確認されたそうだ。また、キジ、コジュケイ、ヤマドリが多く生息していることから、県外からも2000人を超えるハンターが各地へ散っていく。都心からやってきたハンターが、狩猟期間外の犬の保管場所に困って捨てていくのではないかという話も耳にした。

 あるハンターは「茨城は狩猟王国」と言った。獲物が豊富に生息するからか。それとも別の意味か。県内ではこれまでに希少動物が何度も猟銃の犠牲になっているし、前述のとおり多くの猟犬が遺棄され続けている。しかし、動物愛護法違反や鳥獣保護法違反で逮捕者がでたという話は聞かない。県内の大型ホームセンターJHでは箱ワナやトラバサミが誰でも手に取れる場所に堂々と並んでいる。行政は、店側にお願いをしているだけで、狩猟免許や捕獲許可のの確認等、販売員の教育が徹底されているかどうかチェックできていない。

 T市は都心への通勤圏にありながら、狩猟期間中住民たちは自宅で銃声を耳にする。子供たちの心にこの銃声はどう響いているのだろう?人が小さく狭めてしまった生息域で懸命に生きている野生動物の悲鳴がきこえるようだ。同じ地域で一緒に生きている命が奪われていることに、胸を痛める住民の声は多い。

■にぶい行政の対応

 狩猟地図の確認で出向いたT市農政課によれば、今年度市内河川敷の一部を保護区化する申請を県へ上げるそうだが、ここまでくるのに10年かかったという。地図に示された予定区域はほんの僅かだ。「住民と猟友会双方の了承を得るのは大変」なんだとか。地域住民の声はレジャーで発砲するハンターの声に押されて10年も放置されたのだろうか? 同席した環境課(犬担当部署)職員に、市内で散弾を浴びた犬が発見された事を報告したが「そういう事は県に言って下さい、私達にはやることないですから」と言う。T市には、動物愛護の担当部署はないようだ。

 住民は、すぐそばに在る別の世界をあまりにも知らずにいる。住民の安全や猟犬の生死が、ハンターのモラル頼みだったり行政の業務遅滞に脅かされている。タミーが我々に訴えていることは何なのか?耳を傾け、目を凝らしていこうと思う。


◆その後、本件は動物愛護法違反及び銃刀法違反事件として警察に告発がなされ、受理(2006年7月10日)されました。