ラボ・アスナロ連続講座6 報告!
「原発なくても電気は足りるのか?
 電力事情のホントと自然エネルギーの有効利用について」
        講師:小山貴弓さん(反原発出前のお店)
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 講師から「原発のことは皆さんよく勉強して、仕組みのこと等もよくわかっていますけども、エネルギーや電気のことは実はあまりわかってない人が多い。すごく勉強している人と、電気はちょっと・・・という人のギャップが大きすぎる。難しい話になりますが、なるべく分かりやすくお話ししたい」とありました。私自身も原発についての学習会には参加していましたが、電力事情や自然エネルギーのことになると分からないことが多く、今回の講座はチャンスだと思いました。
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私たちは、原発がなかったら電気が足りなくなると言われ続けてきましたが、実はたった2基しか動いてなくても全然困るような事態にはなりませんでした。皆さんは、あと2基止めれば原発がなくなると思うかもしれませんがまだ建設中が3基、安全審査中が4基もあります。ぜんぜん止める気がない。電力会社の思惑があるのではないか。大飯原発再稼働時(去年8月)に関西電力は電気使用率85%で15%の余裕がでたから、それまで8基稼働していた火力発電をコストが高いという理由で一部を停止させている。これは、原発を再稼働させなくても電気が足りるということではないか。    去年の夏、電気が足りなくなるとあれだけ騒いでいた関西電力は電気需給率118.6%の予測をだしていましたが、実際は7月2日~9月21日の長い期間でみても89.4%の需給率しかなく電気は足りている。これは電力会社の経営問題。消費者は電力会社も価格も選べない。
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原発を動かさないと「産業が・・・。経済が・・・。」という話をずっとひと夏されていた。実は、電力需要のピーク時に数時間(2時間×3日とか)くらいの時間帯に足りなくなるという恐れがあるというだけなのに産業全体がひと夏ずっと立ち行かないという話にすりかえられている。
 
《発送電分離って?》
・発電・・・電気を作ること。
・送電・・・発電所から需要地の近くの変電所まで電気を送ること。
・配電・・・変電所で受け取った電力を、その地域の家庭や工場などの消費者(需要家)に届けること。
発送電分離とは、電力会社が一貫して独占してきた発電から企業や
家庭への配電までを「発電会社」「送電会社」さらに「地域の配電
会社」の3つに分離し、発電・配電部門への参入を自由化すること
です。環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏は電力会社から
全国送電網(ナショナルグリッド)を切り離して「日本送電会社」
というものをつくり、そこがすべての発電事業者に対してオープン
でフェアなサービスを提供する。そして、多くの地域の配電会社が
配電を担う。これが私の考える発送電分離のイメージだと語ってい
ます。
電力会社が全国の送電網を握っているのでPPS(9電力+沖縄電力
以外の特定規模電気事業者)などが電気を送りたくても、それぞれ
の電力会社の送電線を使わないと電気を送れないし、電気をつくっ
ても送ることができないから発電もできない。仮に、資金投入して
新規参入しようとしても9電力の送電線を使う使用料(託送料)等、
一般電気事業者の原子力発電などのコスト負担の一部を担わされて
いる状況。単に電線を借りるという仕組みではない。そうとう会社
に体力(資本)がないと参入できないのが実際。
 
《再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度
FIT Feed-in Tariff)とは?》
この仕組みは、電気事業者として参入していくのが難しいなか「やったらや
ったら分、報われるようにしましょう」という制度。発電事業者が発電して
いくに資本が必要。普通なら企業や金融機関が出資しますが、今は市民が出
資して発電業者を支えています。反原発のお店でも東北の風車に出資してい
ます。
《自然エネルギー》
太陽・・太陽光発電、太陽熱温水。
水力(ダムを除く)・・落差発電・流れ込み式発電。
風力・・陸上風力発電、洋上風力発電。
地熱・・地熱発電・地熱温水。
海・・波力発電・海流発電・潮流発電・海洋温度差発電。
バイオマス・・バイオマス発電・バイオマス燃料・バイオマスガス。
市民一人一人が、太陽光発電とか風力発電をやるといってもなかなか難しいが風力発電なんかは市民事業になっている所がたくさんあるので、そういう所に出資して支えるという方法はあると思います。
原子力から自然エネルギーに転換していくためには、私たち一人一人が原発や電力事情・自然エネルギーについてもっと学習し、何が今必要なのか考えていくことが大事だと感じました。
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【感想】
・今回、参加してみて過去の講座も参加すればよかったと思います。日本はあらゆる面で遅れている。事故が起こっても原発輸出まで行おうとしているのはおかしい。地域で起こっている動きを無視して、大型公共事業タイプのハコモノ事業に特化した国家運営は国家破綻の原因となるだろう。何か手を打たなければ・・・。
・今回、初めて参加しました。原発なんて反対です。放射能汚染により野菜などが食べられなくなり大変です。食品や水に大きな影響がでてるのに政府はだらしがない。
・最初しか参加できませんでしたが、パンフレットをみて知らないことばかりで面白かった。去年、夏場の電力事情から原発再稼働必要とマスコミが騒いでいましたが、実際は足りていました。周りの人を含めて夏場電力足りないならなぜ原発!?と疑問に思ってました。発電・送電・配電を電力会社が独占していて、新規事業者が参入するには規制が厳しいそうです。電力会社は総括原価方式(電気代は経費の合計の3%上乗せして算出する)をとっているため、経費がかかればかかるほど利益が上がるため、電力会社は節電をしません。だから経費のかかる原発に力を入れるんだと納得しました。代替エネルギーでもスウェーデンなどの海外に遅れをとっています。今、大企業では工場内に自家発電システムを設け、停電に備えています。ただ、小さい会社や国民はそれができない。代替エネルギーには確かに初期投資はかかりますが、確立すれば原発より安く、何より安全だと思います。今回の話はすごく良かったので参加できなかった仲間に話したいです。
 
その他、食の安全の学習会をやってほしいとか、もっと学習時間を長くとってほしいなど感想がでてました。次回は6月29日(土)に板橋区で前双葉町町長の井戸川克隆さんをお招きして開催する予定です。詳細は後日ブログ又はHPでお知らせいたします。ぜひご参加ください。