ラボ・アスナロ連続講座5 報告!
「内部被曝・外部被曝
放射線の脅威・健康被害について」
講師 大橋明子さん

2月24日にラボ・アスナロ連続講座を開催しました。今回の講師は「反原発出前のお店」から大橋明子さんに来ていただきました。大橋さんは「チェルノブイリ原発事故から約27年経って、やっとどんな事が起こったかが少しずつ明らかにされていますけど、まだまだ隠されたことが多い。一部しかわかってないんじゃないかと思います」と語っていました。ベラルーシでは高汚染地域に住んでいた人は事故から10年後に乳がんの発症率が増大した。これは10年経ってやっとわかってきたことなので、福島はまだ2年なのでこれからどうなっていくか恐ろしいことだと思います。

チェルノブイリの子どもの罹患率は20年以上経って3.1倍に増大した。福島の原発事故後から「直ちに健康に影響はありません」とよく耳にしますが、直ちに影響がなくても確実に将来何らかの影響がでてくると思います。まだ2年しか経っていないのに、福島の3人の子どもに甲状腺がんがみつかっている状況です。10年後、20年後にどうなっているかとても不安です。
地面に降り注いだ放射性物質の上に生活しているだけで被曝したり汚染された建物等から被曝する「外部被曝」と食物や飲料等から体内に取り込んでしまったり、傷口から入ったり、呼吸で肺の中に入ってしまい体の中から被曝する「内部被曝」があります。内部被曝の方が圧倒的にリスクが高い。いったん取り込んでしまったものはなかなか出ていかない。ものによっては一生出ていかないものもある。だから、これから内部被曝に気をつけていかなくてはいけない。セシウム137は半減期が30.2年なのでこれが限りなく0に近づくには300年以上待たなくてはいけない。セシウム137の体内半減期は109日。代謝や尿などで出ていく。特に子どもは代謝が早いので出ていきやすい。だから子どもの保養はとても意味がある。セシウムのない食事をすることによって随分と放射能を減らすことができる。でもまた食べてしまったらセシウムは無くならないので、きちんと測定したものを食べていくことが大事だと感じました。
《放射性物質を多く含む食品》
・キノコ:さまざまなキノコ
・茶葉
・ベリー類:ブルーベリー等
・海産物:淡水魚、地底魚、マダラ、スズキ等
・野菜:タケノコ、野草、葉物
・果実:柑橘類
・肉類
・豆
・脱脂粉乳(バターはOK)
・米(ぬか)

食物繊維を多く含んだものを食べ、便通をよくして体内に食べ物を長く残さない。広島で被曝した肥田先生はお味噌(発酵食品)を食べるといい、一口に30回くらいよく噛んでたべるとおっしゃっているそうです。その他、セシウムは水に溶けやすいので、ゆでて更に水にさらすことによって大分薄めることができる。(ゆで汁は捨てる)しかし、残念ながら栄養分も少なくなってしまいます。
多かれ少なかれ、日本各地が福島原発事故によって放射能に汚染された中で、子どもや家族、そして自分自身の健康を守っていくことは容易なことではなくなってきています。その中で、チェルノブイリ事故後の調査では食べ物に気をつけなかった人と気をつけた人では、気をつけなかった人は体の中にたまっている放射能の量が倍くらいも違うそうです。一人一人が意識して、少しでも安全な食べ物(放射能測定した)を食していくことが大事です。
《感想》
・今回、2回目の参加です。福島にボランティアに行くことがありますが、若い人がけっこう参加しているので被曝しないかと不安になる。今回のお話はここだけではなく、もっと広範囲に企業や学校などでも広げていったほうがいい。聞く機会がない人も多いと思います。
・広島では原爆を落とされたことを学校で教えなくなった。広島の子ども達でも原爆を落とされたこと知らない子が増えている。福島も忘れてはいけない。伝えていくことが大事。
・福島の物はお米とかも全部測定して出荷しているが、他の所は部分的に測定して基準値を超えなければ出荷している。福島の物の方がしっかり測っているから逆に安全かもしれない。
等の感想がでてました。次回は、4月14日(日)PM1:00から
「原発なくても電気は足りるのか?電力事情のホントと自然エネルギーの有効利用について」
講師:小山貴弓さんをお招きして開催します。ぜひご参加ください!