" 満たされないなら 壊してしまえ 全てを "
" 選んだのさ、 壊れること "
("HURT" by LUNA SEA)
ルナシー教真っ只中、信者だった(今もだよ。)オイラは、親から授かった自分のカラダを、切り刻んで、壊してしまった。
オイラの、歪んで歪みきった "Body Image"で。
『オイラが上手くいかない全ての原因は、全て、
このひでえO脚のせいだ、』
オイラは両脚の膝の真下からノコギリで切るOpe.を、半身麻酔で受けた。28歳の時だ。
再びふつうに歩けるまで3年かかった。
ギーコギーコ、ノミやらトンカチやらノコギリの音は、Ope.中、ぜんぶ聴こえていた。
その時の執刀医の先生は、言ってくれたんだ。
『あなたがこの手術を受けて、あなたの人生を前に進めるようでしたら、解りました。私がやりましょう。』
…
オイラは、チバラギ(千葉・茨城)にサーフィンに行ってるクルマの中では、ほぼルナシーの曲のオンパレードだった。
オイラの青春の生き方の正にバイブルだった。
" この胸の奥深く灯した炎は
探し続けている未来を照らす "
" 彷徨い続けてる乾いた心は
愛されたいと願うほど傷ついて "
" 限りなく続くこの道の先に
求めるその何か有ると
信じたい "
" 叶うなら
見つけたい "
" どこまで飛べるのか
確かめたくて "
オイラはふと何かの媒体で、その日の解説委員級の論者が、ルナシーやラルクの存在を、全否定しているざまを読んだ。
読んで、腹が立った。
『現在問題になっている、いわゆる非正規雇用の労働者、フリーター属性の若者世代のパーセンテージを、奴等は爆発的・構造的に増加させた。
酷い犯人だ。罪深い。』とな。
そのお偉い解説委員様は、こういう意味で、
そのご持論を、全国紙でのたまわっていた。
高校や専門学校、大学などに在学中、或いは卒業した、ルナシーやラルク辺りを支持するファン層の学生を概観して。
【アーティストの彼等は、実のところ、かなり、非常に危険な扇動を若い世代にしている】と。
『聴き手は特に何の警戒もしないうちに、好きなアーティストから、意識無意識問わず、影響を受けている。
自身の実・将来を、曲に重ねてしまっている。
未来に向かう為の具体的な職種の方向性にまで、
音楽の力を使い、宗教のように持たせてしまっているのだ。』
要は、その解説委員様は、
学校を卒業しても「正規」の職に就きたがらないモラトリアム人間、青い鳥人間のなかの、少なくないパーセンテージの若者が、ルナシー教やラルク教の宗教性に騙されているのだと、のたまわっていた。
オイラは今になって、もし可能ならば是非とも、その解説委員様とコンタクトを取るように試みてみたい。
『いま、正に非正規雇用で生きて来たオイラは、
あなたが予言した通り、正に「自己破産カッコいいの手続き中ですよ』、、
あなたの勝ちですよ。
あなたが予言した結末を、例えば私は地で行っていますよ、
おめでとうございます!!、
…
ではオイラはいま、ルナシーやラルクを恨んでいるか?
それは全くの愚問だよ。
全く、恨んでなんかないよ。
あなたが主張していた内容はとても、
ナンセンスに思えた。当時は。
私は若かった。
そして、四半世紀後、ある意味的なものを得て、私は、あなたに、私の往く末を、当てられてしまったのです。
…
オイラが不動産屋時代。
物件査定に都内の或る高級住宅地に往ったら、
其処はたまたま、河村隆一の豪邸の斜向かいだった。
オイラは査定を一通り済ませた後、会社の同僚を先に帰した。
オイラのヤジ馬根性だけで、10分くらい、隆一の豪邸の向かいで待っていた。
そしたら、その隆一の大豪邸、表の堅牢で大きな自動シャッターがグイーンと開き、
グラサンした隆一が運転する赤いランボルギーニが、超絶爆音エンジンを轟かせながらタイヤをキュルキュル飛ばして出て来て、『オイラの神様』は、どっかに走り去り、遠くに行ってしまった。
オイラは、何故だか、とっても哀しい気持ちになってしまった。その衝撃に耐えられずに、その場で30分位は動けなかったことを覚えている。
その時ばかりはオイラは思った。正直言うと。
『横浜スタジアムや東京ドームの時の、業界筋のコネでゲットした、一番前の席の高いチケット代を、隆一はオイラに返して欲しい。』
あっちはスーパースター。億万長者。
オイラは客席で周りに合わせ、揺れるだけの客、それだけの構図、図式だったのだ。
今ごろ、オイラは身を以って気づかされたんだ。
いったい何処が【商業音楽】の境目なんだろう。




