四十は遠に越したとしか思えない。

オイラは商売の客だから、ハッキリ言う。


【 おめーは、『トド』じゃんか!! 】


『オイラが指名したのは、店のホームページの写真の少女だよ!!


騙したな、おめーら、

こりゃあ、大サギじゃあねーかー!!!』



表にゃ、3マン円を前払いで受取った

店の運転手が、終わるのを待ってる。

オイラは自宅を押さえられているから、

騒ぎたいけど騒いだら錦糸町からどんな輩が飛んで来るのか分からない、、



そのトドは、オイラの部屋のソファーに、

ズドーンと、音を立てて、ケツから沈み込んだ。


「今日はもう夕方で、アンタで5人目だわさ。

けけけっ、、」


…5分経ち、10分経ち、、

もう何だか訳が分からん、そのトドの、化粧やら汗やら元からの体臭やらなのかが混ざって、

狭いオイラの部屋の空気がみるみる汚れて(けがれて)く。

騙された悔しさ。

10分で追い返した。



オイラは、ゲイを、

「治療」


したかったのさ。



…出来るかどうかか、

自信は元から全然無かったケドさ、

試してみたかったさ。

それだけだったのさ。



哀しい、5年位前の話を

いま、ふと思い出した。


胸糞悪い、とは
正にこんな気持ちのことなんだろう。