つづき 緊急事態… | 西暦2023ねん。

西暦2023ねん。

無駄に男前なおなごのブログです。
あたしだって、何気に乙女だぜ!?笑

そして、
ついに私は口を開いた。

駄目元でいい。

言うだけ、
言った方がいい。


いや、
むしろ流石に、
黙っていられなかった。


それは、
例え助手であろうと、

行ったのが夜だったし、
そこの病院が混んでいるわけでもなく、

確実に対応が出来ない
人はいないからこそ、

少しは対応出来たのではないかという苛立ちも
含めて、

断り続ける
獣医の方を相手に、

私は言った。


『本当に申し訳ないのですが…見ての通り、今
こんなに苦しんで呼吸がまともに出来ない状態なんです。確かに、色々と
あるとは思うのですが、
掛かり付け獣医の紹介状がないと対応出来ないとか…そういう次元じゃないと思うんですよ。本当に勝手で申し訳ないのですが、命に関わる事ですし対応して頂けませんか?勝手なのは承知してますこんなに苦しんでいる姿を横に平然となんて出来ません。宜しくお願いします。』

私は、
正直怒りもあったが
何とか感情を抑えながら
真顔で言った。

すると、

院内の女性

『ええ…そうですよね…もう一度話してみますのでお待ち下さい』

『突然来たあげく無理を言って本当に申し訳ございません』

そう言って私は、
頭を下げた。


言われた通り、
フロア-で待っていた。

しばらくして…

一人の男性獣医らしき
人がこちらに向かってきた。


そして、
案の定先程言われた
同じ言葉が返ってきた。


でも、
私の心情としては
決して諦める事はなく、

冷静に、
慎重に、

まずは、
依頼する側なので、
話を聞かねばと思い、

そのお方の話を
じっくり聞いてみた。

うん。

冷静に、
話を伺ってみると…


確かに、
そのお方の言い分も
一理ある。


それは命を預かる職で
あるからこそ、何らかの
許可は必要だという事を。

解ってはいる。


けど、
こうして話している間に
お金は掛かったとしても

酸素ボンベなり、
多少は出来たはず。

と、
私は思う。


緊急事態だからこそ
緊急で向かった。


そうでなければ、
そこには行っていないの
だから。

焦りから、
私は何度も頭の中で
呟き、心の中で必死に
願いと共に語りかけた。


けど、
願いは届かず…。


あまりの押しに、
その獣医はこう言った。

『まぁ、そこまでおっしゃるのでしたら完全まではいかなくとも、応急処置程度でしたらやっても構いません。がしかし、そうしますと…普通の料金よりも高くつきます。
なので、後から高いなど クレーム等あった場合、
対応は出来ません。それをご理解して頂いた上での応急処置となります』


との、
答えが返ってきた。


………。



料金?

一度、怒りが
治まった私であったが、

再び、
怒りに火がついた。


これは、
流石にイラっとした。


その大元は、
『料金』のこと。


はっきり言って、
犬であれ人間であれ、

命は、
お金で換えられない。


正直、
チロルが助かるならば、
お金なんて惜しくない。


あたし等は、
お金の事を言っているんじゃない。


むしろ、
お金なんてどうでもいい


当然でしょう。


大切な家族である、
チロルの命がかかってるんだから。


過去に何があったかは
わからないが、


チロルの事よりも、
料金といったお金の話を
持ち込まれた時には、


さすがに、

『そうじゃないだろよ』


そう思ったね。


どんなに、
高かれ出しますって話。


ちょっと言い方的には、よくないがね…。


これには、

『チロルよりもお金がって言いたいんですか!?』


って、
言いたくなった。


むしろ、
言ってしまった。


こうして、
話しているうちに、

チロルの呼吸は、
悪くなる一方で、

チロルの目から、
涙がこぼれ落ち…


あまり、
言いたくはないが…


限界間近だったのか、
普段可愛いおめめも、


充血し、
目がむき出しになりそうな状態だった…。



一番
辛いのは、
チロルだが…


もう、
必死に必死に生きようと

耐えに耐えてるチロルを見守っていた私自身も、


本当に、
本当に、


胸が裂けるほど、

苦痛で苦痛で…
ならなかった…。



あの時の
チロルの表情は…


今も強く…


頭から離れずに、









残ってる…。





つづく