莫理斯作、舩山むつみ訳『辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿』読みました | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
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 第11回翻訳ミス テリー読者賞、第9回日本翻訳大賞受賞と2冠に輝いた、莫理斯(トレヴァー・モリス)作、舩山むつみ訳『辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿』読みました。

 

本 本の紹介(公式サイトより) 本

19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズがもし、ビクトリア朝時代の英国人ではなく、清末の時代に生きた中国人だったとしたら……。
そして、彼が奇妙な事件を次々に解決したのが大英帝国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地香港だったら……。

ホームズとワトソンを彼らとまったく同じ時代に生きた中国人、福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)とし、物語の舞台を香港にした極上のパスティーシュ作品。
正典ホームズ・シリーズからの換骨奪胎ぶりが絶妙だ。

1880年代の香港の様子が生き生きと描かれ、ミステリーであると同時に、歴史小説としても読み応え十分。

 

サーチ 感想 サーチ

 面白かった~音譜音譜。ホームズファン、探偵小説ファンでなくても楽しめます。舞台は、大清帝国崩壊前夜の香港。歴史上の事件や実在の人物も登場し、フィクションとノンフィクションの見事な絡みを楽しめます。当時の香港のことが分からなくても大丈夫!【原注】で簡潔明瞭に説明されてます。九龍半島や香港島中心部の地図も掲載され、本文を読みながら、【原注】や地図で確認できます。第9回日本翻訳大賞を受賞されているだけあり、舩山むつみさんの翻訳はとても分かりやすく、当時の香港の雰囲気、空気感、匂いが、タイムスリップしてその場にいるような感覚で伝わってきます。読み進めながら、自分自身も推理しながら読んでる自分に気づき、推理小説の面白さを感じました。結局、アアシの推理は当たりませんでしたが(笑)。

 何よりも感動したのは、単に推理小説というだけではなく、物語の背景や人間模様の切なさです。それは、香港が歩む悲しい歴史と相まって読み手の感情を高ぶらせてくれます。悲しみや哀愁だけではなく、その先にあるささやかな幸せという展開にもほっとさせられました。

 

 ホント、面白いです。ぜひ読んで見てくださいね。未知なる広東語の読み方には四苦八苦。最初だけじゃなく、全部の広東語読みする漢字にルビふっといて欲しかった~というのが願いですがあせる